子どものための文学や芸術について考えさせられた『赤い鳥』創刊100年展 | 台東区入谷・浅草のピアノ教室《高島ピアノ塾》とピアニスト高島登美枝のブログ

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歴史と文化の地・台東区(浅草 入谷 上野)の《高島ピアノ塾》。
主宰者は早稲田大学出身の異色のピアニスト。
伴奏業の傍ら、東京藝大大学院で博士学位を取得。
20代から「音楽による経済的自立と社会貢献」を実践し
逆境から夢を叶えた音楽起業家人生のストーリー。

浅草 台東区のピアノ教室

《高島ピアノ塾》主宰、
バレエピアニスト・歌曲伴奏者の

高島登美枝です。
本日もご来訪ありがとうございます。

 

今日はハロウィンクロウビー5ハロウィン

昨日の記事にも書きましたように、

元は古代宗教の行事から来た風習、

今は子どもたちと若者の

お楽しみイベントと化しておりますが笑

 

私は大学に顔を出しがてら、

藝大の斜め裏にある

国会図書館の分館、

国際子ども図書館で開催中の

「『赤い鳥』創刊百年」の展示会を

見学してきました。

 

研究者としての私の本業は

19世紀バレエ(音楽)ですが、

実はサブの関心事として

日本歌曲と近代詩歌についても

多少研究しております。

 

日本歌曲を語るうえで

山田耕筰と北原白秋のコンビが

絶対に外せない存在であることは

誰しも異論のないところだと思いますが、

このコンビとの関係で

どうしても避けて通れないのが、

雑誌『赤い鳥』と童謡運動の話です。

 

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夏目漱石門下の小説家・

鈴木三重吉(1882-1936)は、

外国童話の翻訳をきっかけに、

児童雑誌『赤い鳥』を創刊します。

 

彼が目指したのは、

流行の子ども雑誌の世俗性や

小学唱歌・教科書に代表される

教訓的な大人目線を排し、

一流の芸術家の手による

真に子どものためになる読み物を

作り出すことでした。

↓拡大してご覧ください



三重吉は『赤い鳥』創刊にあたって

白秋に参画を依頼します。

 

白秋は童謡創作と、

読者投稿の詩の選者を

担当することになります。

 

白秋と山田耕筰の出会いの

きっかけを作ったのも三重吉でした。

(…と耕筰が語っている)

 

ニューヨークから帰国したばかりの耕作は

三重吉から『赤い鳥』のための

作曲家の推挙を依頼され、

弟子の成田為三と近衛秀麿を

推しています。

 

耕作の帰朝演奏会は

『赤い鳥』創刊1周年の記念演奏会と

兼ねて開催されました。

 

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今回の展示は、

もちろん書物が中心でしたが、

装丁や挿絵の美しい本が

多数ありました。

 

大正期の文化の豊かさ、

それが子どもの世界にも及んでいたことを

目の当たりに実感しました。

 

『赤い鳥』の始まった時期は

大正デモクラシーの只中で、

第一次大戦による好景気も手伝って、

都市には経済的余裕のある中産階級が

形成されつつありました。

 

子ども時代から

一流の芸術家の作品に触れることで

豊かな感受性をはぐくもうという

『赤い鳥』の精神は

子女の教育に熱心なこの中流層から

大いに歓迎されたそうです。

 

そういえばちょうど1年前に

館林の群馬県立美術館で観た

鹿島茂先生のコレクション展

『フランス絵本の世界』でも、

19世紀フランスの中流階級の子女教育熱が

絵本や児童文学の発達に

貢献する現象が指摘されていました。

 

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ひるがえって

現代の子どもの教育を思うとき、

昨今は「子ども向き」という名のもとに

かみ砕かれ過ぎて

栄養価のかけらもなくなったものに

楽しさという人口調味料をまぶしたような

絵本、児童書、コミック、アニメなどが

横行しているように思います。

 

展示されていた『赤い鳥』やその関連書籍を

仮に現代の子どもに与えたとして、

それを喜んで味わって読める子どもは

いったいどれだけいるのでしょうかはてなマーク
 

でも、大正時代の子どもと現代の子どもで

本来的な能力や性質には

そう変わりはないはず。

 

また、作品の価値は

現代でも決して劣化していないはず。

 

にもかかわらず、

大正時代の子どもが愛読したものを

同じ年代の平成の子どもたちの多くが

つまらないと感じるとしたら…えーっとうーん
 

ちょっと考え込んでしまいますねえー


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『赤い鳥』から生まれた有名作品には

芥川龍之介の『蜘蛛の糸』や

白秋・耕筰の《からたちの花》

新美南吉の『ごんぎつね』などがあります。


『ごんぎつね』の筋を思い出すだけで

今も泣けてきちゃう私です。

 

この展示会、

前期が11/11まで、

後期が11/13~来年1/20までで、

展示品が変わるそうです。

 

どちらも入場無料という

太っ腹ぶり扇子

 

とてもよい展示会ですので、

上野公園にお越しの際は

ぜひ子ども図書館まで

足を延ばしてご覧くださいね。

 

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