日常の中の不思議 | 不思議サロン

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怪談奇譚不思議のブログです。

「不思議!

 

としか言いようがない事があったんだけどさ」

 

言ったのは、介護施設で働いている旦那さんである。

 

夜勤から帰宅後、少し落ち着いた時にこう言った。

 

不思議大好き人間の私は、

 

思わずニンマリしてしまう。

 

話しはこうだった。

 

1週間ほど前からお看取りに入った

 

入居者のAさんという方がいた。

 

介護施設の言う「お看取り」とは

 

具体的に死が避けられない状況の人に対し、

 

最期を迎えるそのときまで、

 

食事や排せつの介護といった

 

日常生活のケアをすることである。

 

特別養護老人ホームの入居者さんの最期は

 

ほとんどがお看取りになる。

 

Aさんは105歳だった。

 

午後の2時頃、Aさんが亡くなっているのを

 

職員が発見した。

 

慌ただしく作業をしている中、

 

施設にAさんのご家族がやって来た。

 

少し間を置いてご家族が手配をした葬儀屋も

 

到着し、お亡くなりになってから

 

2、3時間ほどでご遺体を運んで行った。

 

あっという間である。

 

その日の20時頃、

 

旦那さんが休憩室に行くと

 

事務員の女性Tさんと栄養士のMさんが話をしていた。

 

特に気にする事なく旦那さんは休憩していると

 

「○○さん(旦那さんの名前)はどう思います?」

 

Mさんが話し掛けて来た。

 

Aさんが亡くなった際、ケアマネのKさんから

 

ご家族に連絡するように指示された事務員のTさんは

 

ご家族に電話をしようとしていると

 

施設のインターホンが鳴った。

 

出てみると、

 

Aさんの家族だったという。

 

事務員のTさんはすかさず、

 

「私、ご家族に電話していないんですよ!

 

なのに、Aさんのご家族が見えて、

 

びっくりしたんですが。。

 

何で知っているんですか?

 

なんて聞けないじゃないですかぁ。

 

すごく気になったので、ケアマネのKさんに

 

聞いたんですよ。

 

ご家族に電話、されたんですか?って。

 

そしたら、『してない』って言うんですよ。

 

ちなみにその場にいたRさんにも聞いてみたんですが

 

してないって言うんです」

 

その時はケアマネのKさんと事務員のTさん、

 

Rさん以外にはいなかったという。

 

一体、誰がご家族に電話をしたのだろうか。。。

 

「こんな事があったんだって、

 

不思議だよね」旦那さんは言った。

 

確かに不思議である。

 

しかし、家族にはお看取りだと言ってあるわけなので

 

頻繁に見舞いに来ようとした。

 

そして偶然、そのタイミングに来ただけだったのでは?

 

こういう偶然を人は怪異にしてしまう。

 

 

3日後、再び旦那さんが話してくれた。

 

ご家族がAさんの荷物を取りに

 

施設に来た際、栄養士のMさんも

 

電話の事が気になっていたので、

 

誰から電話が来たか、直接ご家族に聞いたという。

 

少し怪訝な顔をしながら家族は言った。

 

「誰って、名前は聞きませんでしたが

 

年配の女性でしたよ」と言ったという。

 

 

事務方に年配の女性はいない。

 

介護スタッフで年配と思われる女性スタッフは

 

Oさんしかいないのだが

 

その日、Oさんは休日で施設にはいなかったそうだ。

 

私の「家族が偶然来た説」は消えた。

 

施設の誰かが電話をして知らせたのだ。

 

誰がご家族に電話をしたのか??

 

 

亡くなられたAさん自身が、家族に、

 

自分が亡くなった事を知らせた、と考えるのが

 

自然のような気がする。

 

実際は、どうなのだろうか。。。

 

 

 

いつも読んでくれて、ありがとうございます。

 

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