おばあちゃんが教えてくれた不思議なお話 | 不思議サロン

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怪談奇譚不思議のブログです。

メッセージよりお寄せ頂いた。

 

これは私が小さい頃、田舎に住む祖母から聞いた話です。

 

かなり前の話ですが、とっても印象的だったので

 

今でもはっきりと覚えています。

 

あれはお盆の頃でした。

 

お盆になると田舎は都会で暮らしている息子や

 

娘達が家族を連れて戻って来ているので

 

どこの家でも笑い声がして賑わっていました。

 

私の家も同じで、父の実家に家族で遊びに来ていました。

 

山深い田舎なので

 

ご馳走と言えば山菜や川魚がメインでした。

 

こんなものしかないけど~と言いながら

 

おばあちゃんはたくさんの料理を作ってくれました。

 

その中でも太巻きが大好きでした。

 

素朴な具材なのですがこれがとっても美味しいんです。

 

その日、私は少し熱を出してしまったので

 

他の家族は出かけていきましたが

 

家で寝ていました。

 

おばあちゃんは残って看病してくれていました。

 

陽が傾きかけた夕方の5時頃に目を覚ましました。

 

すっかり体が楽になっていました。

 

「おや、目が覚めたかい?」

 

おばあちゃんの優しい声と共に

 

冷たく冷やした桃を持って来てくれました。

 

暮れ行く田舎の風景を

 

ぼんやり見ながらおばあちゃんと一緒に

 

甘くて美味しい桃を頬張っていました。

 

ひぐらしの音色が心地よく感じられます。

 

「もうすぐ終戦記念日だねぇぇぇ」

 

誰かを懐かしむようにおばあちゃんは

 

ポツリと呟いたのです。

 

私は何も言わずに聞いていました。

 

おばあちゃんはこんな話をしてくれました。

 

戦争中、おばあちゃんには大好きな人がいたそうです。

 

おばあちゃん曰く

 

「あの頃はうぶだったからね、

 

ろくに話す事もできなかったのよ」

 

ちらりとその人の顔を見るだけでも

 

ほっぺたが真っ赤になってしまったそうです。

 

ある夏の日、なんとおばあちゃんは

 

その人から誘われて、デートをしたというのです。

 

デートと言ってもただ峠に行って

 

見慣れた、たいして珍しくもない木々や川辺を

 

他愛もない話をしながら歩いただけだったみたいですが。

 

「それだけでも楽しい時間だったのわよ。

 

でもね、不思議な事があったの、

 

調度、今みたいに夕暮れで

 

ひぐらしが鳴いていたわねぇぇ。。。」

 

おばあちゃん達はベンチに座っていたそうです。

 

2人の座っている影が地面に写っているのを

 

ぼーっと見ていると。。。

 

おや?

 

何かおかしい。

 

おばあちゃんの影の横にその人の影があるのだが

 

その人の、

 

頭の部分の影がない。

 

首まではくっきりあるのに

 

頭の影がないんです。

 

そんな事を思っていると、

 

その人はスっと立って

 

「日が暮れてしまうといけないから」

 

と言っておばあちゃん家の近くまで

 

送ってくれたそうです。

 

別れ際「また、会ってくれますか?」

 

その人の言葉におばあちゃんは、

 

こくりと小さく頷いた。

 

「でもねぇぇ、二度と会う事のないまま

 

その人は戦争で死んでしまったのよ」

 

とおばあちゃんは言いました。

 

私は驚いたのと同時に

 

おばあちゃんが可哀そうでした。

 

「あとで聞いたんだけどね、その人は爆弾に

 

吹き飛ばされてしまって、

 

頭だけが見つからなかったんですって」

 

あの日、おばあちゃんが見た頭部のない影は

 

何かを予告していたのでしょうか。。。

 

その話を聞いた数年後に祖母も亡くなりましたが

 

天国でその人と会えていると良いなぁぁと思っています。

 

 

 

不思議な話をありがとうございました。

 

頭が云々というのは、後になって

 

こじつけてしまったのかな、と思うのだが

 

生命エネルギーが弱まった時、

 

影に何らかの異変が現れたのではないだろうか。

 

よく、亡くなる前の人の影が薄くなるという。

 

この話を聞いた直後、道路を歩く自分の影を

 

見るのが少し怖くなってしまった。

 

ふと、

 

ホログラフィック理論を思い浮かべてしまった。

 

これはSFの話ではなく、今後の量子力学の根本となる

 

理論となっている。

 

 

影という2次元に保存されている情報から、

 

3次元の物質が投影できることを示しているならば、

 

影が薄くなる(無くなる)と

 

3次元に投影されたこの体に

 

何か起こるのではないだろうか。

 

 

 

いつも読んでくれて、ありがとうございます。

 

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