本書は1998年PHP研究所から刊行されたもの、私は2000年初版のPHP文庫版を読む。
あとがきにもあるように、本書は1972年にハーバード大学で行われた講演禄を一般公開に否定的だった瀬島氏を、PHP研究所の編集者が口説き落として出版に漕ぎつけたもの。
これは、もう、読むしか無い本だと思う。
短絡的に軍部の暴走、愚かな判断と、何も自分で調べること無く、片付けるのは、日本の国籍を持つものとしては恥ずかしいことだ。
陸軍の参謀として、ある意味当事者として、語りたくないことは多数あったと思うのだが、それを、公開してくれただけでも感謝するしか無い。
その上で、特に、戦後に生まれたものは、自分なりの判断を形成していくことが肝心なのだと思う。
例えば、あの戦争を終始否定的に捉えていたと思われる、小田実の著作などとも対比するのも一考ではなかろうか?