最低(紗倉まな著) | 本のブログ

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普通の人は読まないだろうと思う本を記す。
あとは、Linuxと中古PCなどの話題。

本書はKADOKAWA2016年刊行のもの。

私も、偏見を持っていたので、本書の評価をAMAZONで調べたが、きちんと書かれているという意見が多く、それならばと、興味本位で読んでみた。

 

読んでみると、確かに、セクシー女優にしておくのはもったいないほど、きちんと書けている。

その後も、作品を発表し続けているようなので、手頃な古書が出回ったら順次読んでみたい作家のひとりとしておきたい。

 

本作が作家としてのデビュー作ということだが、文章力は感心したものの、各編が短くまとめられていて、読みやすくはあるが、もう少し、引き伸ばすなり、最初の2編のように、関連性を持ってくれると有り難かった。

あまりにも、唐突に終わってしまう・・・いい意味で言えば、もう少し読みたい、そういう、印象を持ったからだ。

 

さて、本書も出版されてから大分時間が経っている、次作を読む時に著者の成長が伺えれば大変嬉しいものだ(いずれかの作品が直木賞候補にも上がったらしいので期待大だ)。

 

追記:「桃子」の章のような、古風(昭和的?)な女性像をよく描けたものだと感心した。

確かに、「彩乃」に出てくる、年配の監督(石村)の回想形式なので、そういう人物設定は、ありなのだが、こればかりは、著者にとっても難しいはずだが、果たして、どういうからくりで書いたのかは興味のあるところだ。