評価と贈与の経済学(内田樹・岡田斗司夫著) | 本のブログ

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普通の人は読まないだろうと思う本を記す。
あとは、Linuxと中古PCなどの話題。

本書は徳間書店2013年刊行のもの。

 

両者による対談集。

衰退傾向の日本は、新たなコミニティ化が必要だとする論調で、そのためには、ある意味無私の「贈与」の体系が必要だということだと思うのだが・・・?

いわゆる、昔風でいうところの、良いムラ、良いイエを、現在の制度、例えば、ネットワーク社会の中で作ることが、日本の衰退に歯止めをかける有効な方法なおではないかというものだ。

さて、わざわざ「良い」ムラというように、形容詞をつけたのは、まさに、そのシステムが、良い(善意)で運用されなければいけないという、ものではないかと思うからだ。

核家族化やら、個人主義やらで、個別に解体され尽くした社会で、新しいムラを作るとして、やはり、うまく作り上げないと、どうしようもないはずで、本書で期待を持って述べられたインターネット上の、SNSやらの惨状は、皆、気づいているはずだ。

それでは、インターネットやSNSが悪いのか・・・というとそうではないこともわかると思う。

本質的には、それを使う人の問題がある、先にも書いたように、無私の贈与ができる社会には、コスパやタイパと対立する考え方が必要だと思うのだ。

本書は、とても理解しやすく、現在でも役立つ考え方だと思う。

しかし、今の、この世間を見回すと、反対方向へと舵を切ってしまったのではないかと、思ってしまうのだ。