本名のない人生 | 奈良藤ノ木台 小児科開業医の独り言

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にいのみ小児科・・・2007年4月開業。



このブログでは小児科医として日々感じることや、

一人の母親としての日常を綴っていきます。

帰宅したとき、こども(といってもおとなです)が

 

”おかあさん、あの桐島聡が捕まったらしいよ”、と教えてくれた。

 

え、どなたさま?とっさにわからなかった。

 

”ほら、あの、交番とかにポスターが貼ってある、指名手配のひと・・”

 

娘がいうには、他の犯人と違って、こわそうじゃなく、

 

にこっとした表情なので、すごく印象に残っていたらしい。

 

ちなみに、通っていた学校の近くに交番があったので、

 

毎日あのポスターを見ていたわけだ。

 

でも、捕まったひとはあのポスターのおにいさんとは大違い

 

70歳になっているそうで・・・

 

名前を偽って日本で生きてきた、いったいどんな人生だったんだろう。

 

今読んでいる本、”カミカゼの幽霊”の中に出てくる大田正一と重なった。

 

この人は、カミカゼ特攻隊の人間爆弾”桜花”を作ったひと

 

このあまりに悲惨な兵器を作った重責から

 

戦後、基地から飛び立ち、自殺したと思われていたが、

 

死なずに名前を偽り、戦後を生きていた。

 

やはり、死ぬ前になり、自分の本名をあかした。

 

いるんだな、こんな人が。

 

すくなくとも、今後、

 

交番からあの桐島さんの顔のポスターは消えるわけだ・・