手足口病 | 奈良藤ノ木台 小児科開業医の独り言

奈良藤ノ木台 小児科開業医の独り言

にいのみ小児科・・・2007年4月開業。



このブログでは小児科医として日々感じることや、

一人の母親としての日常を綴っていきます。

毎年、夏を中心に、

保育園、幼稚園などで流行る、手足口病。

最近は、温暖化の影響か、

季節に関係なく、

突然、冬に小流行があったりして、

おどろかされたりもします。

どんな症状かというと、

まさしく、名前の通り。

手と足(おもに、手首や足首より先で、

手のひらや足の裏に多い)中心に、水疱。

それから、口の中、

舌やのどの奥にも水疱ができ、

典型例では、ひざの頭や、おしりにも、水疱ができます。

口のなかが痛くて、

しゃべれない小さい赤ちゃんでは、

よだれが増えて、食欲がおちた、なんていうことで、

気がつくこともあります。

この病気は、原因ウイルスが何種類もあるので、

何度もかかるし、

時には、ワンシーズンで2回かかった、なんてこともあります。

そのためか、

症状的にも、発疹の出方も、

かなり幅があり、

あんまり水疱っぽくない、ぶつぶつのときもあるし、

口内炎だけで、診断できにくかったりもします。

親や小児科医が気づかぬほどの小さな発疹も、保育園の保母さんが、

これ、きっとそうよ、と目ざとく指摘されることもよくあります。

基本的には、高熱が出ることは少なく、症状は軽いですし、

長らくウイルスを排泄することがわかっているので、

熱なく、全身症状がかるければ、

長く休む必要はありません。

そんな病気です。


しかし、今年流行っている手足口病は、

すこし様子が違う・・・

先日、高熱(それも、40度近い!)が、

5日も続く、手足口病のお子さんがいました。

ぐったりして、全然食べられない、とのことだったので、

点滴をしましたが、

それでも、まだ解熱せず、ぐったり。

手足口病でそんなに高熱が続くなんて、

普通考えられない。

髄膜炎をおこしているのでは?

と考え、大きい病院に行ってもらいましたが、

髄膜炎の合併はありませんでした。

(手足口病で、ウイルス性髄膜炎を併発することはたまにあり、

私もいままで、2例ほど、あたったことがあります)

ということは・・・

手足口病自体の発熱??

そういえば、

今年は、熱をともなう手足口病が多いような・・・

たかが手足口病とあなどることなかれ、

今シーズンの手足口病は、

こじれることがあるので、

ご用心!!