パーソナリティ障害とは? | 始まりはアドラー心理学

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より、楽しい日々を送るために、
より、ハッピーな人生を過ごすためには、
どうすればいいのでしょうか?
そのための方法論や実践論を考えています。
ちょっと難しい内容かも知れませんが、
みなさんのお役に立てるような情報を伝えていきたいと思います。

長らく社会人として生きていると、様々な人々に出会います。
学生時代は、級友や先輩と後輩、
教師たちとの対人関係しかありませんが、
社会に出るとより複雑になります。
まず会社内では、様々な年代の人たちと、
様々な立場で付き合わねばなりません。
先輩と後輩、同僚同士、上司と部下、
取引先や顧客など、いろいろありますね。
これが、どれだけ大変で、厄介であるか、
誰もが知るところでしょうあせる

人間は、それぞれが独自のライフスタイルを持っています。
ライフスタイルとは、
物事の捉え方や価値観、趣味嗜好、そして性格などを含めた、
自分なりの型や流儀の事です。
この中で、最も対人関係に影響するのは、やはり性格でしょう。
実際、僕らが他人を判断する時、
見た目や能力ではなく、性格を重視してるのは間違いないところです。

全ての人間は、生まれながら共通する感覚を持っています。
基本的に、僕らが抱く欲求や願望に大きな差はありません。
また、不安と恐怖、痛みと快楽、
怒りや悲しみなどの感覚も万人共通です。
違うのは、これら共通する要素の表し方と使い方にあります。
どこに意識を向けるか?
どんな認知をするか?
どう反応するか?
…これらの選択に個人差がある訳です。

人間の精神は、様々な知識や認知が複雑に絡み合いながら、
絶妙なバランスで構成されています。
このバランスが人それぞれ異なる事が、
性格の違いとして現れているのでしょう。

誰の性格にも、多少は、『自己中』、『無神経』、『感情的』など
負の部分があり、
多かれ少なかれ、他人に迷惑を掛けています。
当然、これはお互い様であり、誰もが了承している事なので、
特に問題にはなりません。
しかし、これら負の部分が極端に強くなると、
周囲に大きな害悪をもたらしてしまいます。
臨床心理学では、このように極端な精神状態を、
『パーソナリティ(人格)障害』と呼んでいます。

パーソナリティ障害は、あくまで精神医療から見た『定義』に過ぎず、
いわゆる病気ではありません。
あくまで人格の問題であり、本人次第では直す事も出来ます。
そう、本人さえ、その気になればの話ですが…。

臨床心理学で定義される
『パーソナリティ障害』には、
以下のように様々なタイプがあります。

・境界性
日々、物事の感じ方や捉え方が両極端に変化し、
周囲を振り回すタイプ。
見捨てられる事に激しい不安を持つ。


・自己愛性
自分の事にしか関心がなく、
他人を思い通りに支配しようとするタイプ。
西洋では、ナルシシズムと呼ばれ、かなり問題視されている。
自分勝手なので、周囲からは『自己中』、
『エゴイスト』だといわれる。


・強迫性
特定のルールや規範、スタイルに拘り、
これらを完璧にこなそうとする事で、様々な支障を及ぼす。
ある意味、真面目過ぎる人格で、
物事をキチンとしないと気が済まず、それを周囲にも強要する。


・演技性
他人からの関心され、注目を浴びる事を強く求める。
見た目に拘り、外見を着飾ったり、
性的なアピールしたがる傾向がある。
芸能人に多い。


・回避性
自己の在り方に不安を持ち、
自信と意欲を失って、課題や対人関係から逃避するタイプ。


・反社会性
いわゆる凶悪犯に多く、自己の欲求に忠実で、
積極的に他人を傷付けたり、何かを奪ったりするタイプ。
生まれつき良心がなく、他人の気持ちが理解出来ない。



皆さんの家庭や職場にも、
以上の要素を持つ人がいるかも知れません。
いや、自身にも、

多少は当て填まる部分があるのではないでしょうか?
例えば、僕には、多少『演技性』の傾向があり、
以前は『自己愛性』や『回避性』の要素がありました。

以上の傾向は誰にでもあるものです。
これらで何かしら問題を起こす事がなければ、
周囲は、その人なりの『個性』や『~らしさ』と捉えるでしょう。

そもそも、性格というのは変わるものです。
子供の頃は、誰もが『自己愛性』や『回避性』を強く持っています。
特に強いのは、思春期となる中学生時代です。
この頃は、子供と大人の境目といえる多感な時期で、
皆さんのクラスにも、
一人や二人の問題児が必ずいたです。
でも、そのほとんどが、既に真っ当な大人に成長しています。
つまり、人間の精神は成長するものであり、
性格も月日と共に変わるのです。

ところが、大人になっても変わらない人、
もしくは大人になってから問題を起こす人がいます。
これこそが、パーソナリティ障害です。

とある統計によると、パーソナリティ障害に該当する人は、
およそ20人に3人(約15%)いるそうですあせる

とはいえ、周囲に問題を起こす人ばかりではありません。

演技性や回避性傾向の人は、周囲にそれほど迷惑をかけませんし、

強迫性タイプは、ただクソ真面目なだけですから。

ただ、境界性、自己愛性、反社会性などは、

周囲に大きな問題を起こします。

僕も、その手の人間に関わった経験が何度かありました。
思い起こすだけで、8人はいたと思います。
今思うと、実に厄介な人たちでしたショック
周囲には、彼らの被害を受け、心身を病んでしまった人もいますガーン
しかし、彼らの中には、

自分の人格によって自ら苦しんでる人もいました。

出来れば、もっと真剣に話し合い、改善の提案をすべきでしたが、
当時の僕には、そんな力も余裕もありませんでした。
彼らを救う以前に、自分を救い出すだけで精一杯だったのです汗

パーソナリティ障害を肌で知った事は、
僕にとって貴重な経験となりました。
彼らに出会った事で人間心理についての理解が深まり、
自らの人格育成にも大いに役立つ結果となったからです。

次回は、その経験を踏まえ、
1つのタイプについて詳しく紹介したいと思います。