ベジフルインフォネット86号 珍しい柑橘 | 日本野菜ソムリエ協会認定 「野菜ソムリエコミュニティ新潟」

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キャビアみたいなフルーツ「フィンガーライム」


フィンガーライムは、オーストラリア原産で野生種も含めれば

その品種の数は200以上といわれています。

「キャビアライム」や「ブッシュキャビア」ともいわれ、欧米のシェフ達の間で人気となり、

日本でも注目されるようになりました。

日本国内ではカルフォルニア産のものが出回りますが、入手は簡単ではありません。

 

 

上の写真にあるフィンガーライムは冷凍保管されたもので5~6本で1000円(税別)でした。

 

 

半分に割り、中身の粒々を使いますが、その光沢の良さと、

口に入れたときのプチプチの食感を楽しみます。

品種により白、ピンク、グリーンなどいくつかの種類があります。

品種によって果皮の色も違っているようです。

 

現在は輸入品のみですが、国内でも苗は入手できますので、

そのうちに国産品も出回る可能性があります。

 

果実を半分にカットし両側から軽くつまむと丸い粒状の実が出てきますので、それを使います。
指でさわっても壊れにくいのですが、口の中で噛むとはじけます。

酸味などは強くはなく、爽やかに感じます。

 

取り出したツブツブを魚介のマリネなどにトッピングすると見た目も良く、

食べたときの酸味と香りがとても良く感じます。

ツブツブの色違いのものをサラダにトッピングやドレッシングに混ぜても良いのではないでしょうか。

スパークリングワインに入れてもよさそうです。

 

入手できたら、記念日などの食卓で使ってみたら、また違った雰囲気になるかもです。
海外のレシピになりますが下記のサイトも参考にしてみてください。


https://recipes.shanleyfarms.com/category/finger-limes/

 

 

 

 

ゆずとは少し違う「ジャバラ」


ジャバラは和歌山県北山村が原産地とされる香酸柑橘の一種です。

庭に植えられている柑橘がゆずとは違う特徴がることから調査研究が始まり

1979年に品種登録されました。

 

ジャバラは、ゆず・温州みかん・クネンボなどが自然交配され自然に選抜が行われできたとされ、

江戸時代から和歌山・三重・奈良の県境の山間部で作られていたと伝えられています。
ジャバラという名前は「邪気(じゃき)を祓う(払う)」ということからつけられたといわれます。

 

ジャバラのほとんどは和歌山県と三重県で栽培されるほかは愛媛県で僅かに作られる程度です。
9割以上がジュースなどの加工品となり、果物の状態で出荷されることはほとんどありません。
主産地の北山村でも2000年頃には生産をやめる動きもありましたが、

その後「花粉症が楽になる」と言われ出し話題になり現在に至っています。

 

 

 

大きさはゆずとほぼ同じ程度で、球状や少し扁平なものがあります。

種はほとんどないとされますが、種が入っているものも見うけることがあります。

 

酸味がかなり強く、みかんのように食べることはできません。

ゆずに近い香りですが、ゆずとは違った香りが特徴です。

 


 

「花粉症が楽になる」と話題になりましたが、どういう効果があるのでしょうか。
花粉に対してアレルギー反応が出て、くしゃみが出る、鼻水が出る、

目のかゆみなどの症状が出るのが花粉症です。

花粉が体内に入ったことに対し、体が過剰反応してしまっていることが原因とされます。

この状態を脱顆粒現象というそうです。

 

柑橘類には「ナリルチン」というフラボノイドの一種である成分が含まれており、

ジャバラにはナリルチンの含有量が特に多いそうです。
ナリルチンには脱顆粒現象を抑制する効果があるために花粉症が楽になるということです。

アトピー性皮膚炎やアトピー性の気管支喘息の症状緩和にもなるという

研究報告もされているようです。

 

ゆずよりも酸味と苦味が強いですが果汁がたっぷりとれますので、

ドレッシングや香り付けなど、料理に活用して役立ててみたらよいでしょう。

 

収穫された多くのジャバラはジュースなどに加工されますが、

通販などで簡単に購入できますので利用されてみてください。

 

 

(野菜ソムリエプロ 木村純一)