ベジフルインフォネット74号 ハウスみかんと冬みかん | 日本野菜ソムリエ協会認定 「野菜ソムリエコミュニティ新潟」

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「ハウスみかん」と「冬のみかん」何が違う

 


みかんといえば冬を代表する果物の一つですが、

ハウスみかんとどう違うのでしょうか。

 

ハウスみかんとは、ハウス栽培によって作る温州みかんで、

冬に出荷されるみかんと違いはありません。

ただ極早生や早生の品種が使われます。
1970年代に過剰生産による価格暴落がおき、

対応策としてハウス栽培が導入されたのがハウスみかんの始まりとされています。

 

ハウスみかんは冬のみかんに比べ、価格は高めであり、

お中元などの贈答用に使われることが多いのも特徴の一つです。

 

ハウス栽培ならば、自然に左右されず管理も簡単であると思われがちですが、

水や温度管理、摘果や色づけなど、一つでもタイミングを誤れば

いいものはできません。露地栽培の何倍もの手間をかけるのと同時に

ハウスなどの設備に多くの経費をかけ生産しているために、

どうしても価格は高めになってしまいます。

ハウスで甘くなる最高の環境を作り上げているために、

露地栽培の冬のみかんとは違った甘味や食味を感じることができます。

 

ハウスみかんには、果皮が鮮やかなオレンジ色のものと、

爽やかなグリーンのものがあります。

 

果皮がグリーンのものは「グリーンハウスみかん」として流通しており

見た目酸っぱそうですが、中身は甘く熟してオレンジ色のものと味はほとんど同じです。

 

冬のみかんと比較すると、ハウスみかんの方が小粒、

冬みかんは酸味が抜けきっていないものが混ざることがありますが、

ハウスみかんには甘味の当たりはずれがあまりありません。

また、外皮も内袋も薄いのが特徴になっています。

 

まとめると、ハウスみかんとは、ハウス栽培されるみかんのことをいい、

5月から9月にかけて出荷されます。

栽培にコストがかかるため価格は高めになります。

大きさは小ぶりですが、甘みは強く食味は良好です。
品種名は特にうたっておらず、産地名をブランドにしているものがほとんどです。

 


【大分・杵築産ハウスみかん】

 

 

 

 

にいがたナスサミット

 


新潟県内のナスの生産者や関係団体が集まって、

7月21日に上越市のJAえちご上越と上越あるるん村で初めて行われました。

2017年度の農水省出荷統計によると、

新潟県のナス作付面積は604haで全国1位、ですが、

収穫量は6,830tで全国7位、出荷量は2,240tで17位となっています。
この不思議な現象の原因は、新潟県人はナス好きで自分達でたべてしまうからとか、

漬物など加工品にしまうなどいわれています。

 

上越あるるん村では、20品種のナスが展示されていましたので、

出来る限り紹介してみます。

 

 

越の丸なす(上越市、糸魚川市)
新潟県園芸研究センターで開発され、大きく丸みがあり煮崩れしにくい。

 

上越丸えんぴつナス(上越市)
上越市安塚区、大島区などで種を取りながら栽培されてきた。油と相性が良い。

 

笹神なす(阿賀野市)
阿賀野市笹神地区の在来ナス。果皮が緑色の丸なすで煮物向き。

 

越後白なす(新潟市)
葉、茎、へたは緑色ですが、果皮は白色。加熱するととろりとした肉質になる。

 

鉛筆(新潟市)
先端が鉛筆のように尖っている。新潟市南区が県内の発祥地とされる。

 

塩俵鉛筆(新潟市)
木場なすともいわれる。日持ちは良くないが炒め物や天ぷらに向く。

 

あのみのり2号(新潟市)
農研機構で育成された。紫黒色が濃く、皮が固く、日持ちが良い。

切り口が変色しにくい。

 

梨茄子(黒十全)(長岡市)
濃紺色で形は電球形、浅漬けに向く。黒十全とも呼ばれる。

 

本当の梨ナス(長岡市)
大阪泉州原産で京都などを経て長岡市中島へ伝わった。浅漬けに向く。

 

中島巾着(長岡市)
長岡市の代表的伝統野菜。扁平形で巾着のしわがあるのが特徴。

 

久保なす(新発田市)
新発田市豊浦地区久保の在来なす。果肉が柔らかく、幼果を浅漬けにする。

 

牧目なす(村上市)
村上市神林地区牧目の在来なす。幼果を浅漬け、大きいものは焼きナスにする。

 

やきなす(新潟市)
鉛筆ナスを選抜して作り上げた。

焼いて食べたらおいしかったことからこの名がついた。

 

一日市なす(新潟市)
新潟市東区原産の丸ナス。果皮が赤紫色。煮崩れしにくいので加熱料理に向く。

 

十全なす(新潟市)
「泉州水なす」がルーツである。多汁で浅漬けに最高の品種である。

 

他にも深雪なす(魚沼)・早生大丸なす(新潟市)・島見なす(新潟市)・

八石なす(長岡市)・梵天丸(十日町市)が紹介されていました。

みなさんのお住いの地域で入手しやすいものもあるかと思いますので、

昔からの食べ方やお気に入りの食べ方で夏の代表野菜を楽しんでください。

 

 

 

(野菜ソムリエプロ 木村純一)

 

 

 

 

 

追記

 

上越タウンジャーナルさんの記事に、

ナスの写真があったので、興味のある方は其方も参考にしてみてください。

https://www.joetsutj.com/articles/33341170

 

(編集担当 本間)