国連人権理事会特別報告者の任務と我が国の対策(意見、修正分) | 日本世論の会 本部

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平成29年6月5日

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横浜の教育を考える会 代表 湯澤 甲雄

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国連人権理事会特別報告者の任務と我が国の対策(意見、修正分)



 5月30日産経新聞記事「国連人権理 特別報告者の草案判明」並びに6月2日同紙社説「国連特別報告 嘘撒き散らすのは何者か」及び6月3日同紙記事「人権団体と関係 公正に疑問符」参照。

国連人権理事会が任命した特別報告者によっていわれなき対日非難が相次いでいます。5月30日付同紙記事は、米カリフォルニア大学教授デービット・ケイ氏が特別報告者に任命され、6月中に人権理事会へ提出する「訪日報告書の草案の個別事項」について報道されていました。

 本稿は、国連の人権理事会の特別報告者は国連の諸規則に照らした場合、いかなる任務・権限を与えられているのであろうか、あるいは、報告者は任務・権限外の本件にいかに対処すべきかについて愚見を述べるものであります。



(国連人権理事会の任務について)

国連広報センターの「人権の促進と擁護」によれば、<監視者として――
国連は、単に人権の定義を行うだけではなく、それが実際に擁護されるようにする活動で中心的な役割を果たす。「市民的、政治的権利に関する国際規約」と「経済的、社会的、文化的権利に関する国際規約」(双方とも1966年に採択、我が国は1979年に批准し、憲法第98条(最高法規)として誠実に遵守を公約している。)の両条約は、締約国がいかにしてその公約を果たしているかを監視する

権限を国際機関に与えた最初の条約例である。条約によって設置された機関や特別報告者、人権理事会の作業部会は、それぞれ国際規準の順守状況を監視し、かつ人権侵害の申し立てを調査する手続きや機構を持っている>とされています。 要するに国連人権理事会は、国連憲章の直下にあるCovenantと称される

上記二つの規約の下に任務を遂行するものと定められており、人権侵害の申し立てを調査する場合には、両規約の定めに反する人権の申立てを受理することは特別報告者の任務ではないと理解されます。

 以下、5月30日産経記事「デービット・ケイ氏訪日報告書草案要旨」の順序に従い、選択しながら以下の愚見を申し述べます。

3、日本における表現の自由のための基盤への課題

   両国際規約は前文冒頭と第2条において、「加盟国が認定した国民の全ての構成員の人々(All members of the human family=Individuals)が歴史的に形成した固有の尊厳(尊い習俗)や同胞愛を、世界の自由正義、平和の基本とする。これを認定した権利あるいは現存する基本的人権と称し、国が尊重し保障すること」を締約国に求めています。

   自民党の憲法案第11条(基本的人権の享有)は、両規約に定める基本的人権の不可侵性と全く同趣旨を述べており、日本における基本的人権の保護を弱体化しうるとのケイ氏の指摘に誤りがあります。ケイ氏は、「家族や共同体の人々が歴史的に形成した基本的人権」と「基本的自由を享受するために条件として創設された個人の自由と権利」とを混同して、後者も国が尊重し保障するものと勘違いしていると思われます。

4、意見及び表現の自由の権利の状況:主要意見

  A,メディアの独立

  (1)放送メディア

    両国際規約前文によれば「表現の自由」は、人々が基本的自由を享受するための条件として各個人(Everyone=Individual)に対して32条文が人工的に創設され、その中の自由権規約第19条に該当するものです。

(注、両規約によれば「表現の自由」は、基本的人権ではなく、基本的自由の下に創設されたものです。)自由であるべきものは、国から尊重された瞬間に自由が蒸発するので、両規約は32条文が国から保障されるものであるが、尊重されることは無いと定めています。

基本的自由を享受するために「個人の表現の自由」を帯する個人(The
Individual=放送メデイアを含む)は、国から尊重されることなく基
本的人権の対極にあって、常に基本的人権の増進擁護に努める責任(Responsibility)を負うとする法秩序を両規約は定めています。

このように両規約は「表現の自由」を有するメデイアに自由と独立を認めておらず、総務省の規制は自由権規約第19条3項の制限の範囲内で法律を定めており、その法律は則基本的人権ですからケイ氏が指摘するような「不当な制約を課す」ことにはなり得ません。
ケイ氏は「政府の見解は、メデイアを制限する脅迫として受け取れる」と指摘していますが、メデイアに対して両規約を正しく理解した現行法律に従わせることがケイ氏の任務・権限である筈です。

  (2)活字メデイア        事実関係不承知につき意見差し控える。

   (3)専門機関と記者クラブ制度  (略)


B,歴史の発信・表現への介入 並びに V,結論及び勧告等について

   両規約前文によれば、「表現の自由」は基本的自由を享受するために、人工的に創設された「個人の自由と権利」の内の一つであり、万国共通に個人が当事者となって保有するものとされています。従って、国はその保有を保障するために、公正中立な裁判所等を設けて保障する立場に立ちます。

   一方、国の歴史はその国の国民の固有の尊厳=Inherent Dignityでありまして、両規約はこれを基本的人権=Fundamental Human Rightsとして、国が認定すると定めています。国が認定した国民の基本的人権について、国がこれを尊重し保障することにすることを締約国は国連に対し公約しています。それゆえに両規約第5条(解釈適用上の注意)1項は、国、集団、個人がそれを破壊したり、勝手に制限してはならないと定めています。

国民の基本的人権の尊厳を破壊する行為が行われた場合は、我が国の法制は刑法第77条に則り、破壊者たる集団や個人に対し、国の統治の基本秩序の壊乱者として刑罰が適用されます。即ち歴史はこのように扱われるべきであると両規約は定めています。

次いで両規約第5条2項は、いずれかの締約国において認められ又は存する基本的人権は、他国は制限し又は侵すことは許されないと定めています。

どの国の歴史もこのように、国によって認定された国民の基本的人権の一つでありますので、我が国の政府が事実誤認があると認定している慰安婦問題は我が国の歴史ではありません。

韓国政府は、日本人のFakerな共産党員のFictionである慰安婦問題が日本のPro-Communist集団である朝日新聞によって世界的に報道された機に乗じて、敢えて韓国国民のInherent Indignityを偽造してこれを韓国国会で議決することによってFactと化して、、際限のない将来にわたり<日本を国際的に不名誉の国に貶めて(Korean government plotted to disgrace
Japanese people.)>東洋の儒教的序列の優位に立つ自己満足が得られること、併せて日本に対し金銭的償いを求め続けることを期待して、この優れて内政的事情による慰安婦問題を米国議会や国連当局に申出たのであって、両規約の規定とは全く関係ありません。

韓国の動機は国際連合憲章の精神とか、あるいは両規約に定める加盟国の固有の尊厳が毀損されたことにあるのではなく、日本の共産主義者のFiction  が韓国政府の儒教的心情を刺激したという申立であるので、ケイ氏は日本政府の反論を真摯に聞き、任務・権限外のものとして本件申立てを却下し、加えて自由権規約第20条2項(国民的、人種的、又は宗教的憎悪の唱導の禁止)の見地から韓国政府に対し報告者としての懸念を伝えさせる

べきであります。以上