韓国の石油精製業界が深刻な危機なのは中国のせいだって。中国とFTAを結んで、競争に負けただけやん | 日本世論の会 本部

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「みんな中国のせいだ」 韓国の石油精製業界が深刻な危機

 「みんな中国のせいだ」――。韓国の石油精製会社関係者は最近、7-9月期業績を発表後にそう漏らした。4-6月に原油価格回復を追い風に過去最高の業績を上げた石油精製業界だが、その勢いが止まった格好だ。

 SKイノベーション、GSカルテックス、Sオイルの7-9月期の営業利益は4-6月期を57-82%下回った。売上高の70-80%を占めるガソリン・軽油などの業績悪化が直撃した。Sオイルの場合、石油精製部門で1234億ウォン(約111億円)の営業赤字を記録し、SKイノベーションの石油精製部門も営業利益が87%も落ち込んだ。原因をたどると中国に行き着く。

 中国メーカーは原油価格が年初時点の1バレル当たり20ドルから4-6月期に40ドル台に反発すると、稼働を中断していた石油精製プラントを再稼働した。しかし、消費低迷で中国国内で売れ残りが生じ、それを輸出にまわしている。中国の7月の軽油輸出量は前年同月比で182%増加し、8月も増加が続いた。ガソリンも状況は同じで、世界各地にあふれる中国産石油製品が韓国製品の輸出を阻んでいる。その上、海外市場で中国製品の流通が増えた結果、石油精製マージンが低下し、韓国メーカーは収益性低下に苦しんでいる。ウォール・ストリート・ジャーナルは最近、「中国が石油製品の輸出を増やし、韓国の石油精製業界が深刻な危機に直面した」と報じた。

■韓国の輸出市場奪う中国企業

 中国は最近10年間で石油精製能力を倍増させた。しかし、最近2-3年で経済成長率が低下し、石油消費が伸び悩み、石油製品は国内需要だけでは余るようになった。高度成長期に石油製品を輸入に依存してきた中国は、売れ残りが生じると、石油製品の輸出を開始し、2014年に石油製品の純輸出国に転じた。昨年には日本、台湾の抜き、韓国、シンガポール、インドに次ぐ4位の輸出国となった。

金承範(キム・スンボム)記者