安倍晋三首相の肝いりで成立した安保関連法に、一貫して反対している憲法学者の小林節・慶大名誉教授(67)は9日、東京・日本記者クラブで会見し、政治団体「国民怒りの声」を設立し、今夏の参院選比例代表に出馬することを明らかにした。今後、公募を行った上で、自身以外に10人の比例候補の擁立を目指す。
小林氏は「失うものは、女房以外に何もない。最後の演習として、自分で立とうと思った」と、不退転の決意であることを強調。「自公とおおさか維新を合わせて、参院で3分の2の議席を取らせないことが唯一の関心事だ」と述べ、参院で、与党勢力の過半数割れに追い込むと意気込みを示した。
出馬を決意した経緯について、小林氏は、小沢一郎・生活の党代表らが主張し、野党の一部で、水面下で進んでいた「野党統一名簿」構想が頓挫(とんざ)したことを挙げた。「このまま(の現状)では与党の勝利は目に見えている」とした上で、「安倍政権の暴走は止めたいが、いまだに民主党政権失政を許すことができす、また共産党に投票する気にもなれない多数の有権者の代弁者たらんとして、第3の旗を立てることにした」としている。