「明日への選択4月号」<今月の主張「憲法改正論議」>(意見) | 日本世論の会 本部

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  平成2845

日本政策研究センター 代表 伊藤哲夫 先生

(写し、自由民主党総裁 安倍晋三 殿)

 

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                        日本世論の会神奈川支部 監事 湯澤甲雄

 「明日への選択4月号」<今月の主張「憲法改正論議」>(意見)

 

 今月号の先生の巻頭文に大いに賛同させていただきます。失礼を顧みずその要点のみを簡略してのべれば<憲法改正は簡単な問題ではないが、先ずその前に国民が「議論の本意」即ち「国家存立の確保」に向き合うことは、何を措いても求められる課題だと思う>ということであります。また先生は別の機会に、「憲法はその根幹となるパラダイムというか、基本概念が明確になっていないといけない」とも言われておりました。

 

 累次ご指摘のように現行憲法は、連合国軍の占領政策目的用の草案をモディフアィして作成されているために、「主権者たる日本国民」や「日本国」という基本概念がそもそも存在せず、従って「日本国民の基本的人権」と称する「日本国民の基本的大義」を空白したままに、個人の権利」のみを詳細に記すだけで「国家存立の基本概念」が欠落したものになっています。

 

その上で、ポツダム宣言第10条「吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ國民トシテ滅亡セシメントスルノ意圖ヲ有スルモノニ非ザルモ――中略――日本國政府ハ日本國國民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ對スル一切ノ障礙ヲ除去スベシ言論、宗教及思想ノ自由竝ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルベシ」を憲法前文に反映させて、日本国を自由民主主義国家に復活させる条文となっているのです。連合国が明治憲法時代は自由民主主義国家であったと認め且つ共産主義の排除を認めていることは、明治維新以来の我が国の国家目的が先の戦争の300万の英霊によって克ちうることができた「日本国の勝利」を意味します。

 

 従って、桑港講和条約を締結し独立国家である現在、憲法改正に向かって国民としてやるべきことは、今憲法を改正することではなく、憲法前文1項の規定に沿って、自由民主主義を原理とする政治体制の完成に向かって努力を傾注することであって、これによって国家存立の基本概念」を先ず確立することです。それには、憲法第11条の下に「基本的人権認定法(仮称)」を立法し、その具体的内容と同時に日本国民一人一人がこれを支える義務を負うことについて、国際人権条約に準拠して同法に規定することです。

 

 昭和54年に締結し、履行を国際公約し、憲法第982項の最高法規となっている国際人権条約(社会権規約、自由権規約)は、自由民主主義の原理を国際法化したものですが、国民一人一人は家族や共同体のために尽くすべきであり、常に国民の基本的人権の増進、擁護に努める義務を負うことを国際的規範としています。我が国は、これを採り入れる義務があります。

 かくして自由民主主義を原理とした憲法体系が一般法の立法により完成した暁は、現行憲法の中に散りばめられている占領軍政用の条文は第1条、第9条、第13条冒頭文等を含め存在する意味が自ら変わりますので、憲法改正により変更、抹消あるいは書き直すべきです。

 

 「国家存立の基本概念」が欠落している間隙を日教組勢力に突かれて、教育再生会議によって「国家、国民、共同体、家族」の語が抹消され、「一人一人の個人」の語に入れ替えられた教育行政法が幾重にも制定され、全国で全体主義教育が行われている現実は国家存立の危機です。

国家、国民、投票等に関心を持たない国民が国税を使って累々と育成されています。以上