各位
サンフランシスコ平和条約に自衛権についての記載があることを知りました。 船田
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◆集団的自衛権は憲法上もある。
(日本国憲法が制定された昭和二二年当時、憲法九七条に、「過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民」と表現された国民は、憲法の担い手であるから、国民の自衛権は論ずるまでもなくあるのであるが、)
憲法上も、日本国憲法の前文に呼応して規程されている憲法第98条2項により、サンフランシスコ平和条約第5条(ⅲ)(c)及び国連憲章51条を誠実に遵守することを必要とする。故にあきらかに自衛権(個別的自衛権及び集団的自衛権)はある。
【理由】
1、 憲法前文より抜粋する(・・・・は省略部分)
・・・・。日本国民は、・・・・・、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、・・・・国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、・・・・平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
2、 憲法第98条について
憲法第98条は第一項で、「この憲法は、国の最高法規であつて」と規程しながら、その例外として(憲法よりも上位に在るとして)、第二項で、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守すること」と規定している。
即ち、「サンフランシスコ平和条約や、国連憲章は、憲法より上位にある」。ことになる。
憲法第98条は、次の如くである。
第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
○2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
3、 サンフランシスコ平和条約第5条(ⅲ)(c)について
サンフランシスコ平和条約第五条は下記する如くであり、「個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することができること」は合憲であることが明白である。
サンフランシスコ平和条約 第三章 安全 より
第五条 (a) 日本国は、国際連合憲章第二条に掲げる義務、特に次の義務を受諾する。
(i)その国際紛争を、平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決すること。
(ii)その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使は、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むこと。
(iii)国際連合が憲章に従つてとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合が防止行動又は強制行動をとるいかなる国に対しても援助の供与を慎むこと。
(b) 連合国は、日本国との関係において国際連合憲章第二条の原則を指針とすべきことを確認する。
(c) 連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することができることを承認する。
4、 国連憲章第五一条は次の如くである。
第51条〔自衛権〕
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国が措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。