自民党憲法改正草案に対案提出の件 | 日本世論の会 本部

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各位

自民党憲法改正草案に対する下記対案を、自民党有力議員宛提出しました
ので、改正の意義、目的に関する意見についてのみ、お知らせいたします。
添付物(日本国憲法改正案対照表A4版15ページ)は除いています。

又、末尾に湯澤私案の憲法前文を記しました。


                      湯澤甲雄 横浜市南区大岡3-41-10
                           電話045-713-7222 045-713-7222


拝啓 日々御多忙なお役目眞にご苦労さまでございます。

早速ながら、昨年5月、ご恵送賜りました自民党憲法改正草案の概要について、私なりに分析・研究を試みていたところ、最近その全文が党本部から入手できましたので、ここに第一章、第二章、第三章、第十章、第十一章のみの調査結果につきまして、日本国憲法改正案対照表」(A4版、15ページ)をもってご報告に上がる次第です。

私の分析・研究の起点は、国連が締約国に求めている自由民主主義政治体制とは、如何なるものか、我が国に適合するものかについて、国連の自由権規約、社会権規約という国際条約を基礎にして確かめてみようと試みたものです。
話はやや迂遠になりますが、申し述べさせていただきます。

明治政府の先人は、明治憲法(法律)制定以前に教育勅語(法)発布し、日本人の心のよりどころを定めました。これに基づき教育を受けた日本人は、畏敬の眼を持って諸外国人から見られていることを、累計10年間在勤したニューヨーク、シンガポール、ソウルの生活で実感しました。私たちは、明治憲法の体系に自信を持つべきです。そこで、明治憲法の政治は何かと申しますと、「天皇神権説に基づく自由民主主義政治」であったということです。明治憲法を反映させた国際連盟におけるわが国の主張も、世界の正義を訴えるものでありました。
二度にわたる世界大戦を再発させないことを前提にして考案された国連憲章と、それと一体を成す社会権規約、自由権規約を眺めてみますと、教育勅語(法)に相当するものが基本的大義(法)でありまして、習俗(伝統、道徳、習俗宗教等も入る)と家族愛を核心に置いています。それは何かというと、「国民主権に基づく自由民主主義政治」であります。つまり自由民主主義は普遍の政治原理として認められます。

国際条約は、自由民主主義の核心に国民の基本的大義(法)を据えて、締約国それぞれが内容を認知(Recognition)する事を定めていますが、わが国の場合は認知を怠ってきています日本国民が軟体動物と評される由縁です。今回の憲法改正は、が国の(法)の確立の仕方をどうするのか、国家、国民の根本・格をどのように定めるのかが、先ず問題提起されるべきなのです。
(湯澤・改正私案第8条(天皇の神事行為)に基づき、神に対する国民の安寧を祈るお言葉の中で、「教育勅語」的内容をのたまわれて、国民はこれを元首の詔勅として奉戴するすることも、考えられます。)

昭和21年1月、ようやく国連総会で国連憲章が成立した翌2月にマッカーサー憲法草案が日本政府に示されました。その草案は、占領軍政用の条文が各所に散りばめられていますが、その草案を一貫する法筋は「国民主権に基づく自由民主主義」です。
明治憲法もマ憲法草案のどちらも、個人の権利尊重という美辞を核心に置く全体主義、社会主義、共産主義を一切排除することは共通しています。同時に、中華主義(Sino-Centorism)といわれる帝国主義、韓国儒教階級独善主義(Korean-Centrism?)といわれる憎悪唱道主義についても、一切排除しています。
占領軍政用の条文は、サンフランシスコ条約締結に伴い、対外的には無効条文となっていますが、左翼の大切な自虐史観の橋頭堡になるため、護憲運動で残されています。
しかし左翼が憲法改正を妨害する最大の理由は、昭和21年日本側憲法起草委員が、公職追放に便乗した左翼勢力に恐喝されて、マ憲法草案を左翼の言いなりに誤訳、曲訳させられて、自由民主主義憲法であるべきものを全体主義憲法に変質させてしまうことに成功しているからです。左翼が執拗に護憲を主張し、憲法改正反対を唱える理由がここにあります。現行憲法の下に置いておけば、日本国は時間の経過とともに自然に全体主義国家になるように、条文が仕掛けられているのです。
又、日教組のようなマルキスト集団が、護憲を唱えながら実際は、破憲行為をしても刑法や、破防法適用から免れることができる法網が、仕掛けられているのです。
したがって、今回の憲法改正案は、占領軍政用の条文廃止に加えて特に現行憲法に潜んでいる全体主義条文を摘発し、修正することに重点を置くべきなのです。
そのためには、社会権規約、自由権規約によって、自由民主主義の本質を知ることからはじめなければなりません。

以上の問題意識を持って自民党の憲法改正草案を見ると、憲法改正推進本部長以下そうそうたるお名前が並んでいますが、誠に残念ながらどなたも「社会権規約、自由権規約」を英語の原文で読んで理解していないと見られ、腑抜けた憲法改正草案であり、誤りだらけであるということです。
(左翼勢力に汚染されている外務省の和訳文は、仮約にして、しかも曲訳を交えて意味の分からない翻訳をしています。)
自民党憲法改正推進本部の委員は、大学の法学部出身の大政治家や弁護士が大勢いらっしゃいますが、保利耕輔本部長、中谷元事務局長に任せにしていたらしく、失礼ながら皆落第です。

法学に素養の無い私が申すのは眞に僭越であり憚られるのですが、私が新聞紙上の論文を拝見して、透徹した能力をお持ちのお方と判断している人物に、XXXXXXXがおられます。私とは、一切利害関係がありません。
憲法改正の重要点について、これらの先生方に、XXXX先生から是非とも早急にご相談され、その上で「改正原案」を作られますようお勧めさせていただきたいと思います。

私の個別問題意識は、「湯澤・憲法改正私案」に「注」書してありますので、ご参照願います。

寒さ厳しき折から、ご健康に留意され、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。  敬具


末尾、「湯澤私案、憲法前文」

「日本国民は、宇宙のあまねくところに神々が宿ることを信じ、まねく人と自然、あまねく人と人との安寧を神々に祈る天皇をいただき、「和をもって貴しとなす」ことや「言挙げせぬ」国民性をはぐくみ、進取の気性をもって他国の文化を摂取しこれを同化しながら、清楚・冷静にして、義・勇・仁・礼・誠を尊ぶ独自の多様な文化・文明を生み出してきた。
日本国民は、この永き良き習俗・伝統を持つ祖国を心から愛し、立自尊の気概をもって自国と同胞の発展をねがい、自由・正義・和を求める基本的大義を重んじ、もって世界の繁栄に貢献せんとする。
われらはかかる目的を遂げるため、前憲法の自由民主主義の原理を引き継ぎ、これに反する一切の憲法、法令及び政治を排除する。本国の主権者たる天皇と国民は、この良き習俗、伝統と我が国家を永久に子孫に継承することを決意して、ここに、この憲法を制定する。」以上