福寿草。 | 日本画いろは川村愛

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ご訪問ありがとうございます。

福岡の冬は曇りばかりです。
初めての冬越しは、宮崎の生あたたかさが恋しかった…(_ _。)

今年は、例年以上に雲の切れ間が待ち遠しく感じられました。

福寿草を描きたかったからです。

福寿草は、春を告げる花。
光に反応して咲くので、お天気が良くならないときれいに開いてくれません。
自然界では絶滅危惧種で、九州では九州山地や阿蘇のあたりに自生しています。
まだ冬山登山は無理なので(まだってことはいずれ行く気w)雪の中から顔を出した花を夢見つつ、「陽がさした!」と思った瞬間に福岡市植物園へ。

それは、とてもかわいらしく小さく咲いていました。
冬の弱い光を集めるために必死に花を開こうという意思が感じられます。
陽があたるに連れ、黒く固い萼片から鮮光黄の花弁が徐々に顔を出し輝きを増していきます。
ふかふかの葉はまるで毛皮を纏っているようで少しでも花を暖めてあげようとしているみたいでした。

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スケッチを終え、作品にして行きます。

洋金箔を硫黄でやいたものを下地にして、暗く冷たい冬の土から懸命に光に向かって咲いている姿を描きました。

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この作品は、ある方から大切なご友人のために贈られる予定です。
その方の想いをうかがって一番相応しいのは福寿草だと思い、制作に臨みました。
少しでも心の支えになれば嬉しいです。

福寿草の花言葉は、
「幸福」「幸せを招く」「永久の幸福」「回想」「思い出」「悲しき思い出」

春待つ季節に、この花は私も暖かくしてくれました。