香港のデモがなかなかおさまらない。


19977月に、イギリスから中国へ返還された。昭和世代の日本であれば、沖縄のような話なのかもしれない。


沖縄返還は、1974年であった。

僕が生まれる1年前であるから、沖縄が日本に戻ってきた時のことをしらないのではある

しかし、アメリカから日本への返還である。

沖縄の人たちの感情はあると思うが、わんぱくなガキ大将から喧嘩に負けた子分が返してもらったようなものだ。

ガキ大将と子分は、考え方が似てるから、そこにいる人も考え方での歪みは、そこまでは生じたりはしないはずだ。

それでも、未だに問題は山積みなのである。


ただ、中国と香港は、政治的な背景が少し違う。

シンプルにいうと、ガキ大将の考え方がちがう。

今でこそ、中国はマイルドな社会主義ではあるが、イギリスは資本主義で、やはり自由に物が言える国である。アメリカに近いガキ大将だ。


相当大変なんだとは思う


さて、中国のデモというと、僕らは、1989年に起きた天安門事件を思い出す。


10万人とも言われる群衆が天安門広場に集結し、中国の民主化を叫んだのであった。


話は少し脇道に逸れる。

僕ら世代の方ならば、ご記憶にあるかもしれないのだが、1980年代後半は、ある遊びが爆発的に流行った。


6mmの小さな弾丸を飛ばすエアソフトガンというおもちゃを使って撃ち合いや戦争ごっこをする遊び


そうサバゲーだ。


男子はとにかく夢中なったもんだ。

まぁ、世はハリウッドのアクションヒーローの世界である。一万円くらいのお金をなんとか工面すれば、憧れのスタローンだって、シュワルツェネッガーにだってなれるたのだ。


都心から私鉄で30分の地方都市には、まだまだ少年達の想像力を駆り立てる、田園風景が存在していた。


とかく忙しい中学生生活の合間を見つけては、田園地帯で、時にランボーになったり、シュワルツェネッガーのコマンドーになったりと、それはそれで大忙しであった。


しかし、この田園地帯で活躍するランボー達は、左胸に誇らしげに校章、右胸にクラスと名前、腕と足のところに二本のラインの入った青いお揃いのジャージを着用しているのであった。


中学1年くらいまでは良いのだが、しかし、2年生くらいになると色気づいてくる。

私服にこだわりだわるのと同時に、それが田園地帯では映える体育のジャージでは下級生たちに笑われる。


我慢の限界に達し、中学三年生で田園地帯のアクションヒーローどもは、少しづつ貯めたお小遣いを握りしめて、なんとか迷彩柄の服などを買おうと、上野御徒町まで小さな上京旅行に行くのである。


中田商店である。


中田商店の店前では、それこそ憧れのアクションヒーローが着用していたアメリカ軍の迷彩服や、イギリス軍のちょっと変わった迷彩服などが、隙間なく置かれていたものであったのだ。


正直、どれも高い

覚悟はしてきたが、高いのである


そんな店頭に、うず高く積み上げられ、

そして目ん玉が飛び出るくらいの安い値段で売られている軍服があったのだ


それは、中国人民解放軍の軍服であった。

頭から靴、リュックサックまで全部揃えても、アメリカ軍の迷彩服の半額にしか満たない、1万円を少し超えるくらいの値段に僕らは真剣に驚いたものであった。


話は戻る。

天安門事件である。


デモ隊に向かい合う軍隊は、あの1万円で頭からつま先まで装備が揃ってしまう人民解放軍の姿があったのだ

僕らが中学生の時に見た、あの服を着ている本物の兵隊が、高校生になった僕たちの見ているテレビの前に写しだされていたのだ


そして、僕はしばらくして衝撃的な写真を目にする


薄暗いなか、バリケードの向こうには、あのチープな軍服を着た兵隊が並んでいるそんな写真である。


しかし、その写真には若干の違和感がある


閃光が写っているのだ


オカルトの心霊写真のような内容に聞こえるかもしれないが、薄暗い影がそこだけ仄かに明るくなり、閃光が写っている。


その閃光は、上や下にではない。

明らかにこちらに向いた閃光である。


チープな軍服を着た兵隊から生じる閃光とは何か他でもない、自動小銃から発射時に生じる閃光である。

おそらく上や下に向けて発射された威嚇射撃ではない

ましてや、6mmのプラスチック製の弾でもない

それは、殺傷能力のある銃弾であったと思う。それが、水平にこちらに向いた閃光を放っていたのであった。


高校生の僕には、あまりにも襲撃的過ぎた


情報がそれほどない隣国が、こんなにも恐ろしく感じたことはなかった。


あれから、30年が過ぎた今、情報が少なかった隣国になった香港で、デモが起こっている。


そして、警官が発砲し、デモに参加している高校生が負傷したとのこと。


香港は、僕らが愛したジャッキーチェンがいる。

ジャッキーが主演した、香港国際警察は名作で、後にさまざまな映画に影響を与えることになった。


そんな名作の中で、僕たちの香港国際警察のジャッキーが、拳銃を発砲するシーンがある。


しかし、その銃弾は、必ず悪に対して放たれてるものであった。


問題はあるのだと思う、そしてあるかもしれない

それでも僕たちの愛した香港国際警察は、絶対に市民に、その銃弾を放ってはいけないのだ