あけましておめでとうございます。

 

 ちょうど福島の旅も50回になりました。

 

 正月早々きりのいい数字で幸先が予期です。

 

    ところでお寺や神社はお好きですか。

 

 福島県会津地方にも興味深い寺や神社、史跡が点在しています。

 

 今回は会津坂下(あいづばんげ)町にある恵隆寺と心清水八幡神社(こころしみずはちまんじんじゃ)についてです。

 

  最寄り駅は只見線の塔寺駅です。塔寺駅は会津若松駅から小出方面行き電車に乗って約50分小さな無人駅です。

 

 

 

 

 これが塔寺駅のホームです。片側は林になっていて、電車

と風音以外は聞こえない非常に静かなところです。

 

 

 

 

 駅舎には「熊出没注意」の張り紙がありました。人里に近いのに熊が出るのはさすがです。どこかの駅みたいに猫が迎えてくれたらみんなうれしいでしょうが、牙むいたクマさんのお出迎えはいただけませんね。

 

 

 

 

 駅舎から戒壇を降りると駅前広場にでます。

 

 

 

 

 駅を出て国道49号線をわたると会津と越後を結ぶ越後街道に出ます。この越後街道を東に進むと気多宮・塔寺集落が続きます。

 

 

 

 

 気多宮・塔寺集落は江戸時代に越後街道の宿場町として栄えました。今は旅館もほとんど見当たらず、ひなびた集落となっています。

 

 

 

 

 心清水八幡神社に着きました。この背後に恵隆寺がありますが、江戸時代までは宮方・堂方の区別がありながらも一体の宗教施設として運営されていました。しかし明治期の神仏分離政策により切り離され、現在の姿になってしまいました。全くの廃寺にされるよりは良かったかもしれませんが。

 

 

 

 

 神社は社伝によると1055(天喜3)年に源義家が山城の石清水八幡宮から勧請したとされています。この神社には塔寺八幡宮長帳(重文)という日記が伝えられています。これは1350(貞和6)年から1635(寛永12)年までの記録で、神社の宗教行事や出来事だけではなく、会津地域の歴史を語る上で貴重な資料になっています。

 

 

 

 

 本殿です。現在は応神天皇や神功皇后などがまつられています。この神社は会津藩初代藩主保科正之の意向により、唯一神道的に祭祀されていたとのことです。

 

 

 

 

 本殿脇にはいろいろと末社がまつられています。

 

 

 

 

 さてこちらは神社のすぐ東側にある恵隆寺です。現在はこじんまりした境内になっています。

 

 

 

 

 手洗場です、ここから湧き出ている水は250年も前に掘られ、今でもこんこんと湧き出る水はそのまま飲めるようです、確かに口に含んで見ると冷たく、雑味のないすっきりした水でした。貴重な水ですね。

 

 

 

 

 これが恵隆寺の本堂の観音堂です。重要文化財に指定されており、桁行5間、梁間4間の寄棟造で、鎌倉初期の様式です。

 

 

 

 中には本尊の木造千手観音立像が安置されています。総高8.5mで、一木造像としては日本最大で立木観音とも呼ばれます。堂内には本尊の脇に二十八部衆や風神雷神像などもあり、一見の価値はあります。

 

 

 

 

 堂内は撮影禁止ですが、代わりにポスターの写真を掲載します。

 

 

 

 

 こちらは近年再建された塔で、中には大日如来像が安置されています。

 

 

 いかがでしたか。会津はこのように落ち着いたたたずまいの寺や神社が散在しています。時にはこういう空間でのんびり過ごしてみるのはいかがでしょうか。