「トラベリング・オーガスト」
八月は新たなる、続く旅の最初の日、
咲き誇らぬ太陽と、それでも海を乞う歓声、
雨天荒天、空は鈍い斑模様、
スコール浴びてはしゃいでる、
子供は一歩を踏み出して、眺めるにはあまりに眩しい、
長く伸びる手足はまるで、風と親しむ羽根のよう、
過ぎた季節を思えども、それを理由に生きられぬ、
気づけば過去に振り回される、
それのどこに命なんぞが宿るだろうか、
鐘が鳴るのは新たな場所へと誘うため、
過ぎたあらゆる、楔と鎖を断ち切るがため、
錆びるを待たずにその先へと視を向ける、
もう戻ることはない、どれほど豊かな季節だとして、
それが過ぎたことならば、
変わり続ける、転がり続ける、
それ以外になにができるというだろう、
鳴り止まない祝福、音色、真夏の景、
ここにいたこと、ここにいること、
やがてすべてを過去へと追いやるときのため、
新たな軌跡を描く旅、
僕らはその手を羽根のように南へ向けて、
せめて今日、僕らは僕らを祝福しよう、
そして今日、新たな明日の約束をする、
昨日の記憶を笑い飛ばして、今日は明日に想いを馳せる、
今日を笑い飛ばす明日がくる、
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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた



