「或るギタリストのための日に」
騒々しいばかりのテレビなんて蹴飛ばした、
もう、おまえは喋らなくていいんだって、
チリソースのパスタを食べたら、グリルチキンをオーダーしてくれ、
そいつに合うアルコールはなんだっけ、
明日があろうがなかろうが、そんなことはどうでもいい、
甘いメロディ、スピーカーを殴らせて、
衝動まんまに機関銃を鳴らしたい、
大気も空気も切り裂いてやれ、
撃ち鳴らせたらどんなにいいか、
マスクかぶって銀行でも襲ってやりたい、
軽はずみでしかないそんな気分、
紙切れに火を点けて、あいにくこちらは無法者、
ギラギラ光る宝物にも興味がない、
タバコに点ける200度で、映画スターを焼き払う、
デニスはいったい何処にいる?
デ・ニーロって誰だっけ、記憶が千切れて思い出せないのもいいな、
覚えてたいことなんてそんな、
そんなにないから「どうでもいい」って舌を出す、
子供じみた時間が終わって、
太陽が苛立つほどの光で睨む、
今日も相変わらずで赤と青が白くなりゆく時間だけ待つ、
*ずっと変わらずに大好きなアベフトシさん、安らかに。
あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた