「追憶のオレンジ」
憶えてるか、憶えてるよな、
燃え落ちる夕暮れの坂道を、
錆びた自転車きしませながら、
流れる汗をそのままに、
下らないこと笑ってたよな、
憶えてるか、憶えてるよ、
パトライト無駄に逃げたり、
焦がれる人に想いを馳せた、
変わる街を眺めてみたり、
指折り、バカを数えたり、
俺ら変わらないって思ったよな、
オレンジは今日も変わらず燃え落ちてゆく、
青臭さを鼻白むほどには大人になれず、
相変わらずの幼さ抱いて、
変わらないって思ってた、
俺らきっと二人同じで、
だけど変わってゆくのを感じるだろう、
生きているから、変わってくんだ、
そうじゃなきゃタフのひとつも身にできない、
憶えてるか、憶えてるよ、
あの坂道の向こうに広がる、
景色を今も胸に抱いたまま、
弱虫さえも住み着いたまま、
下らないって吐き捨てた、
そんなのだってぶら下げている、
オレンジは今日も変わらず燃え落ちてゆく、
僕らは大人を口にするほどクールになれず、
相変わらずのガキのまんまで、
オレンジは明日もやはり燃え落ちてくんだろう、
あの日見た海、オレンジは、
溶ける瞬間、焼きついたままだった、
追憶のオレンジは、
今もまだ胸にくすぶり灰になんてなりはしない、
追憶のオレンジを、
少しだけ厚くなった胸に抱く、
あの坂道は続いてる、
心優しきすべてのろくでなし達へ、
心優しきすべてのろくでなし達へ、
愚鈍に過ぎず、無垢なまんまの、
すべての心優しきろくでなしたちへ、
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⇒トラファルガー
⇒夜をクロール
⇒いちご畑の午前4時
⇒☆夜明けに解き放て
⇒バイバイ、ビューティフルワールド
あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた



