「永遠のビーチにて」
失われた者たちが、失われたものを探してる、
漂着したビーチグラスは宝石にしか見えなかった、
色も音も騒々しい、四角い鉄の森、
コンクリートも鬱々黒く、
毒ガスを吸いつづけ、倒れこみそう、
毛羽立ったフランネル、
チェックのシャツを縫い合わせたブランケット、
ふたりで潜り込む、ビーチはまだ寒いからって、
夜はまだ寒いからって、
永遠に消えてなくならない、
たぶん、誰もが探してる、
永遠に輝きを失わない、
それはまだ見つからないまま、
無言と静寂、波すら立たない無人のビーチ、
ふたりは恋人、旅の果てだと決めた場所、
インディゴブルー、揺れないブイは褪せた赤、
ふたりは恋人、そうなるような気がしてる、
先走るブーゲンビリア、気が向くまま咲かせてた、
霧舞う宙にブーゲンビリア、足跡から花は咲く、
━━━━━━━━━━━━━━━
⇒波打際のガーリー・レゲエ
⇒狂いっぱなしのオーケストラ
⇒少年
━━━━━━━━━━━━━━━
あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた