「ジジといたころ」
砕氷船が海をゆく、季節外れに降り注ぐ、
その大粒は追想か、
血は固まらずに重ね合わさる、
痛みに反ってジジは眠るふりをした、
彼が想うは連れ戻された愛する少女、
赤いドレスが似合わない、
着せられたまま肩書きまでを、
その華奢な両肩、生まれが彼女を決めたから、
どうにかなるんだ、何もかもがさ、
要らない言葉に慌てることはひとつもない、
刻みつけるは愛するひとの唯ひとつ、
夢見心地で何が悪い、欲しいものは多くはないや、
睨みつける海の向こう、微かに淡くにじんだ光、
きっとそこに彼女が待ってる、
希望を乗せた船がゆく、無情に誰彼なく置いてゆく、
新たな世界を生き地に決めた、
選ばれしは手も振らず、ジジは瞼に恋人描く、
きっとあの娘は船にいて、
お仕着せがましい赤を着て、
いまはそう、それでもいい、
いつかジジは自分の船で、
彼女を迎えにゆくって決めた、
どうにかなるんだ、何もかもがさ、
要らない言葉に慌てることはひとつもない、
刻みつけるは愛するひとの唯ひとつ、
夢見心地で何が悪い、欲しいものは多くはないや、
睨みつける海の向こう、微かに淡くにじんだ光、
きっとそこに彼女が待ってる、
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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた



