水曜生まれの神様の子
食べるに困り、スクラップを漁ってる、
干からび飢えた村にて生きる、
ボロをまとう大人たち、
手垢まみれのコインを見つけては、嬌声さえあげ、
我がものだと群がっては血を流す、
そんな村に彼は生まれた、
久しぶりに生まれた子供、神の子と称された、
村と国と蔓延るすべての問題は、
彼の手に委ねられ、そして人を救うとされた、
彼は無力な子供に過ぎず、
自分がなぜ“神の子”なのか、理解さえもできなかった、
紛いに生まれた神だと知った、
少年の目には未来など見えず、
少年の耳には未知の声など聞こえず、
少年には人々を導く言葉など持っていなかった、
奉りあげられるまま村の主にされた少年は、
それが運命だと諦めはしたが、人々を失望させることは言えなかった、
少年は育ち、痩せさらばえた体ではあったが、無事に成人することができたのだった、
神に定められた少年は英知を求められ、初めて言葉を放った、
“私は神ではなく、あなたたちを救うことはできません”と、
人々は口々に彼を罵り、暴力さえも振るわれた、
彼は薄れゆく意識のなかで呟いた、
“神よ、私たちは愚かしく醜い、
この粗暴の果てに消し去ってはくれないでしょうか”と、
水曜生まれの神の子は、
最後に救いの言葉を持った、
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星屑のロビンソン
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