三日が過ぎた、しかしペンギン星人はいまだ帰ってこない。リョウタは思う、これで良かったのだと。
水族館に連れて行った、彼が言うところの『進化を果たせていないペンギン』たちが泳ぐ人工の南極にて、我を忘れたペンギン星人はプールに飛び込み、そのまま野生を取り戻したかのように群れのなかに入っていったのだ。
そう、あのとき……彼は本来の姿を取り戻したのだ、フェンスを越えてゆくあの瞬間の、光を放つ眼の鋭さは確かに野生のものだった。
「 地球侵略はムリだったけど……水族館の人気者にはなれるかもしれないし」
リョウタは占拠されていた自室の、ペンギン星人が残した物たちが妙に懐かしく見えた。
やはり私はペンギンであるのだな、ペンギン星人は水中を滑空しながら思う。
すでに彼は水族館のペンギンたちを配下におき、長としてその地位を確かなものにしていた、食事の時間になればバケツ一杯分が彼に用意され、岩山の頂は彼以外の誰も近づきはしない。
確固たる地位、揺るぎない場所。すでにそれを手に入れたのだ。
岩山の頂にて進化を放棄したペンギンたちを眺める。酷く無邪気で幼稚だ、しかし私の祖先はこんなふうに生きてきたのだ。
進化、か……。必ずしもそれが正しいのかどうかは分からないな……。
そして思う。この星で進化し、結果として存亡の危機に立つニンゲンという存在を、そして唯一人の友人であるリョウタという少年を……。
あの知能の低い生命は元気にやっているのだろうか、と。
≪ワケが分からないままつづく≫
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