
“南へ逃げた恋人が、今も元気でいますように”
他の誰かに抱かれてながら、アンジー、今夜は偽名を捨てる、吐き捨てるほど思いつくのに、お気に入りの名前で生きる、
愛を売り終えたらブラインドの外は朝、まるきり何も失くした気分、ベッドに知らないバカが眠ってる、
“男たちを皆殺しにして手配犯になってみたい、どうせコイツらアタマの中にはアレしかないし”
丸めたドレスに火を点けて、窓の向こうに放り出したい、裸のまんまシャツを着て、湿ったタバコをふかしてる、
ほんとの名前は捨てたアンジー、それは死んだ仔犬の名前、たぶん誰より大切な、彼女にだけなついた仔犬、
ほんとの名前は忘れたアンジー、昔のことは忘れたよ、南へ逃げた恋人が、いまでも泣いてますように、
世界まるごと皆殺しにするマシンガンを手にしたい、サイフの中身はまるごともらうね、汚いカネは汚いことに使ってあげる、
“どうせアイツら、カネさえあれば何でも買えると思ってる、かざす偽善に乱射して、腹を抱えて笑ってみたい”
真っ赤な舌をチラつかせ、返り血なめるふりをした、汚い血は臭いから、すぐに歯を磨かなきゃ、
“南へ逃げた恋人は、へらへら笑ってくれたらいいわ”
今日の仕事は終えたアンジー、少しだけ世界が澄んでる気分で、屋上、奪った紙切れを風に踊らせて少し伸びた髪を指でつまんで、