
腹を見せてる横転タンカー、漂着したシャチみたいに見えた、
濁色、溢れさせてサカナたちは固まっている、
カモメはカラスになれないから海に食われてた、
ステージ待ちの踊り子たちは退屈しのぎにそんな光景眺めてる、
“羽根があっても飛べなくなっちゃ終わりだね”
静かな目をしてパンを食わえる、口のまわりはブルーベリー、ジャムまみれ、
オリオン座の映画スターは忍び込んだ楽屋裏、獲物を狙う獣の目をして、そんなの慣れてるトップダンサー、ルーキーに耳打ちしてる、カメラマンは映画スターを盗撮してて、ルーキーダンサー、舌打ちをした、
ストロボ、フラッシュ、ミラーボールのダンスホール、踊り子たちは夜の海を想ってた、沈むカモメを想ってた、
夜を終えて、朝をはじめて、髪をくしゃくしゃしながら抜け出たホテル、鉄のシャチは浮かんでなくて、オイルだけが浮いていた、
サカナもカモメもいなくって、歯磨きしたり寝ぼけ眼でタバコ吸ったり、それぞれ遠くを眺めてた、波音だけが泣いていて、背を向けたトップダンサー、何も言わず歩いて行った、
海が光を吸い込んで、
舞い上がるときは風の声に耳を傾け、なるべく高く舞い上がれ、
だが、翼は永遠に羽ばたけないし、地上には突き出た岩もある、突き立つ木々もある、
忘れるな、真下にはいつも地があることを、