その階段は踏み締めるたびに軋む木製、虫歯だらけの歯のようた、一段おきに抜け落ちている、
螺旋を描く、遠く睨むだけなら垂直に立つ塔にしか見えなかった、頂上を眺めずに、足元ばかりを気にしてる、
破れた衣服、残骸はあちらこちらに垂れ下がれる、相当数が落ちたろう、だとしても引き返すにはあまりに高く、
たどりつく、その果てに臨む景色はどんなだろう、
高みから見る世界、その景色はたぶん穢れ霞んだ青みばかりか、
変わらずのふて腐れる態度にて、舌なめずりしてゆくか、
目を閉じて、進み終えた踏み板なんて蹴落としてやれ、
恐怖よりも舞う感覚の愉しさで、口笛さえも鳴らしながら、吹き荒れる風のなか、駆け上がる快感だけを頼りに、
高みへゆこう、そこにあるがゼロだとしても、
高みをゆこう、そこにあるが虚無だとしても。