続く未来、容赦の有無など関係なくて、眠ったふりした氷の国のペンギンたち、アシカを襲うシャチはつがいで、
時間をどうにか止められないかとシナリオライター、夢想の果てに相談を持ち掛ける、星時計の番人は2000年生きる7歳の女の子、
“未来の全て、シナリオにしたら考えてあげてもいいわ”
ミント味のガムをくちゃくちゃ、下品さを振り撒きながら、洗いざらしの金の髪を掻き回す、
シナリオライター、リノリウムをのたうちまわる、もがき足掻いて、イメージ全てを総動員、描く世界の未来はあまりに安易な古いクリシェ、
少女は針を進める速度を早め、シナリオライター、みるみる歳を重ねてく、欠伸まじりで長い髪をカールさせたりペンダントをいじってみたり、
“あなたがいくら描いたとして、それはたかがヒトの意識に過ぎない、誰ひとり正しい未来なんてシナリオにはできやしないわ”
ほら、もう一回り、少女は針をぐるり回転させる、何年が過ぎたろう、
シナリオライター、痩衰えて干からびたミイラのようで、それでめ声を振り絞る、
“君の言う通りだ、未来を描きることはできないらしい……だがな、ひとつ間違いなく言い切れる、生きるものは時間に逆らえやしない、それは君も同じなんだ”
見開く目で少女はシナリオライター睨んでる、息き絶える瞬間、最期のタバコに火を点けて、男はかすか笑みさえ浮かべた、
星時計の番人は廻したぶんだけ高速に加齢する、少女は何かを言うより早く砂に変わり果てていた。