ビルからビルへタイトロープ ありもしない架空の国旗は風になびいた 白む空にはためく原色
象牙だけで組み上げられた 痩せた街は乳白色 磨き込まれてきれい過ぎて 足音さえ汚れみたいだ
裸足でおどけて赤い舌をちらつかせ 獲物を見つけたトカゲに似た目 少年はタイトロープを綱渡り
“それだけかい?”
落ちたら死ぬぞの拡声器 オマワリたちが彼の無謀に怒り狂って叫んだときに彼は呟いた
命をまるごと弄ぶ 怖さなど感じない 他に楽しいことなどここにはなくて ロープの上でもたつきながらステップさえも踏んでみた
集まるギャラリー 黄色い声やはやし言葉に乗りもせず 狂いながら命を使って遊んでる
“それだけかい?”
落ちて死んでしまえばいいの怒鳴り声 善良者らは彼の遊びにあきれて叫んだ 彼は呟いた 退屈そうにニヤケ笑い浮かべてやがる