口の端が切れていた 血が滲んでいやがった ビールでうがいをして吐き出して なんだか居心地悪くなったなって 逆さまに空を仰いだ、
その青さに上下や左右はないらしい 当たり前かって呟いて 痺れるアタマで記憶をたどる もつれた糸 解けないから どうでもいいやって 思い出すことを忘れちまう
伸びたままの長い髪 風になびいた エンジのスーツはお気に入りで この街を出る前に新しくしておきたい テーラーなんて知らないから 誰かに聞かなきゃ分からないけど 話す相手がいなかった
何度か寝た女の子はコールガール 逢うたび名前が変わってた 話した言葉はひとつかふたつ もう忘れたよ
破れたポケット 札は数枚くしゃくしゃで 赤くなってた バーガースタンドぶらり入った チリドッグとブラッドオレンジ 血の味は口のなかかオレンジか
明ける空 見渡す丘で深呼吸した 街に唾を吐いた もうここには来ないからさって彼はハミング もう少しだけ眠っていよう
適当なクルマを見つけて 新しい街 生まれ変わって ちょっとはマシな生き方しようって できもしない誓いを 空に十字を 抗い続けた神に祈りを 知る限りの言葉で伝えた。
ハート型に浮かぶ雲 突き刺さる塔が重なり スペードになって
男はスペード名乗ることにした 悪くない名前 悪くない街を出る。