走る風を見てた、
校舎の裏の小さな丘から駆けるように抜けてゆく、
風をずっと見つめてた、
春、夏、秋、冬、
屋上の柵にもたれて、せっかちに翔けて去る風を見続けた、
彼らにさらわれた生まれたての若葉の不幸や、
老体を撫でられてるかのように横たわる大樹、
役割を終え、ただの一言すら愚痴らず、散らばる枯れ葉たち、
さらさら、
そよそよ、
かさかさ、
感情隠して、その身を風に委ねてる、
ささやかな反抗心で棄てられた答案用紙や、
無抵抗に転がる砂埃、
意味の有無を問わず、ただ無目的に非情な風を見続ける、
ひとつの季節は過ぎ、
星はまわり、私はまたひとつ大人になる。
好きと嫌いに関わらず、
それを繰り返し続け、
新しい季節の訪れを待つ、
春はまだ遠く先だ、だが恐れることはない、
君には僕が、
僕には君が、
人には人が、
柔らかく繋がる、
君と年齢を重ねる奇跡をくれた、
この世界にときには感謝する、
僕たちは儚く、瞬間にうつろう幻に過ぎない、
だが、交わした想いは決して幻になどなりはしない、
