火の海
大海原に最後の夕陽が
静かに落ちた
船は闇に閉ざされ
波音しか聞こえぬ日
漂う船で独り想う日
この静かな闇が
本来あるべき姿だ
心は静かに波間を漂う
闇に小さな光が
無数に浮かんだ
船は星に包まれ
光っては消える灯
漂う船へ心伝える火
この光と闇が
本来あるべき姿だ
この世は闇に浮かぶ海蛍
僅かに光っては
闇に紛れ
一瞬だけ輝いては
闇に潜む
繰り返し流れる日
闇の彼方を独り想う日
この先 何処へ
行けばいいのだろう
大海原に最初の朝日が
静かに昇る
新しい日が生まれた
船の進路は開かれ
明日へと旅立つ日
誓いを胸に秘める火
この大きな海が
人生の歩む場所だ
行き先は―――
しばし風の吹くまま
流れてみるか
情熱
時は無情
昔 建てた碑に
しがみつく冷めた心
今更 何かに
燃える事も無く
しがらみの糸と
冷ややかな目で
編んだマフラーを首に巻き
老いた 器に
魂を封印している
道筋は造られた
わざわざ藪の中を
歩く事もない
穏やかな景色を
足元だけ見詰めて歩き
双眼鏡は無用の長物
時は冷刻
一度たぎった炎は
いずれ灰となる定め
今更 火に
油を注ぐ事も無く
努力のレンガと
意志の繋ぎで
積み重ねた家に住み
温室に魂を安置する
ただ 情熱の火が
消えた訳では無い
灰の中で燻っているだけ
=補足=
冷刻《造語》:れいこく
親心
君が生まれて
僕の中にも
生まれたものが
あるんだ
それはね
生きる意味
君を育てるために
僕は生きるんだ
人はね
自分のために頑張れない
君のために
早く死んでられない
パパは頑張るからね
君が生まれて
僕の欲しいものが
全部そろった
それはね
一つだけの宝石
君を授かり
他に何も要らないんだ
人はね
全ての望みは叶わない
君が居れば
欲は生まれない
かけがえのない宝物を
貰ったから
君にはパパの人生を
あげるね
僕の中にも
生まれたものが
あるんだ
それはね
生きる意味
君を育てるために
僕は生きるんだ
人はね
自分のために頑張れない
君のために
早く死んでられない
パパは頑張るからね
君が生まれて
僕の欲しいものが
全部そろった
それはね
一つだけの宝石
君を授かり
他に何も要らないんだ
人はね
全ての望みは叶わない
君が居れば
欲は生まれない
かけがえのない宝物を
貰ったから
君にはパパの人生を
あげるね