主演
白吹雪きの
幕が開ける時
物語が始まる
照明を浴びて
輝く舞台に踏み出せば
静まり返った場内で
固唾を飲み込み
見入る影
自分にしか
演じられない舞台
演目は『今日』
筋書き通りには
行かないだろう
上手くアドリブで
乗り切れるだろうか
新雪に一歩踏み出し
今日が始まった
輝く太陽と
影が見守る中で
夢路
眠りたい
夢路を旅して
想像したい
世の中に輝きは
存在せず
うつつの中で
見る妄想もシビア
手にした教典を読めば
灰色の文字で
書かれた平和
未来は赤字で
政治と金は不透明
政権交代の
文字は色褪せていた
世の中に希望は
存在せず
うつつの中で
見る回想はセピア
眠りたい
創造するために
夢を見たい
新たな教典を
手にした時
夢の中でしか
羽ばたけぬ鶏も
うつつの中で
金の卵を産むやも知れぬ
まだ、懲りんね
等々この日がやって来ましたね
始まりが有れば終わりが来て 365日の寿命を全とうした丑は息絶えた
丑の葬儀は木魚の無い鐘が百八つ鳴り響いて 輪廻の悲しさに未婚の女は切な祈りを捧げ 老人は布団を被り重なるのを嫌った
しめやかな葬式の後は 大中小盃の屠蘇で生前を偲ぶ席
酔えば本音で御目出糖と口走る奴
生前は良く思われていなかった丑
罪を被せられ厄介者扱いされた丑
終わりが有れば始まりが来て 丑の死後すぐに寅が生まれた
誕生を祝う酒と お節料理で皆が喜ぶ中 横で冷めた目をした月日が笑う
翌日 伊達巻きに醤油を垂らし食べた飯は味気無かった
今年も去年と大して変わらないだろうなぁ
三日目の栗金団は味噌漬けで甘味をごまかし
明け四日の飯は焦げたししゃもに舌鼓した