思い出の花 -38ページ目

燐寸~マッチ~


冬だった時が
まるで嘘のように
桜の木は燐寸の火だね

炎の中に見えるパーティー

燐寸に火が灯れば
浮ぶ明かりが
暖かそう

燐寸に火が灯れば
聞こえる声が
楽しそう

燐寸に火が灯れば
漂う香りが
美味しそう

これからどんどん
温かくなる
冷たかった雪が
まるで嘘のように

次は炎の中に
何を見せてくれる?
ほんの短い間だけ

桜ちりぬる


夢半ばで力尽きた
突然 掛かった病に
病名も知らず
旅立ちそうろう
学問の師となる夢叶え
教壇に立ち半年と僅か
学童に会う日 夢見て
眠りに就けり

死は辛し
命は尊し
我が世誰そ常ならむ
師は教えし

空ら頭で訃報を聞いた
突然 途絶えた命に
闘病も知らず
苛立ちそうろう
学徒の絆となる夢語り
共に巣立ち七年と僅か
学友が偲ぶ碑 見詰めて
眠りに泣けり

死は切なし
命は刹那し
有為の奥山今日越えて
志は継がれし

夢若葉で
「いろは」を 読んだ
偶然 出会ったあの日に
想い巡らす
沸き立ちそうろう
学童の師となる夢終わり
祭壇に立ち享年も僅か
学校で遊ぶ古き夢にて
桜と成れり

純潔の薔薇


君には刺があり
迂闊に触れる事は
出来ないだろう

だが僕は知っている
柔らかな肌
脆く傷付き易い心
体には熱い血が流れ
情熱的な女だと

だが君を知る者は
一人でよい
他の男には刺を光らせ
危険な女で居ればよい
有りのままの汝を示せ

誰もが不可能と言った
青い薔薇を君に贈ろう
空の様に広い心で
海の様に深い絆で
誰もが不可能と思った
甘い香りで君を包もう

美しく刺の有る薔薇
有りのままの汝を示せ
有りのままの汝を愛す