晩寒~ばんかん~
手のひらに
淡雪一粒舞い降りて
消えぬ様にと
そっと包んだ温もり
手のひらの
水一雫零れ落ち
消えぬ様にと
グッと願った祈り
土に染み入り
消えた冷たさ
“君を救えなんだ”
儚さ胸に染み入る
寒空に涙一粒頬伝い
消えぬ様にと
そっと拭った冷たさ
手のひらの
水一雫の面影に
消えぬ様にと
グッと握ったこぶし
土に染み入り
消えた温もり
“君を忘れなんだ”
悲しみ胸に染み入る
春空に花一輪咲き始め
枯れぬ様にと
そっと願った祈り
手のひらの
水一雫花咲かせ
土に染み入り
消えた淡雪
“君の想いなんだ”
手のひらに
花弁一枚舞い降りて
細道
二人寄り添い歩いた道
道端の黄色い蒲公英が
二人の足元を
照らしてくれた
もし歩けなければ
君は悲しむだろうか
もし進めなければ
君は悲しいだろうか
明日が来るのは
当然だろうか
一人で通るこの道は広い
満たした道は遥か
二人手を繋ぎ歩いた道
道端の白い蒲公英が
二人の行き先を
温めてくれた
もし道がなければ
僕は悲しむだろうか
もし通れなければ
僕は悲しいだろうか
立ち止まるのは
必然だろうか
一人で通るこの道は長い
辿った道は僅か
道端の細いススキが
太陽の輝きに手を振り
さよならをした
僕は沈む夕陽を眺め
道端に立ち尽くす
君と僕しか知らない道
白い雪の花に包まれ
足跡も
ここに道が
在ったかさえも
分からない
僕は心を無くした
真っ白で
均された景色の中
あの日
道端で黄昏た細木が
樹氷になって立ち尽くす
ここに道が在ったと
示すかの様に
