思い出の花 -37ページ目

晩寒~ばんかん~


手のひらに
淡雪一粒舞い降りて
消えぬ様にと
そっと包んだ温もり

手のひらの
水一雫零れ落ち
消えぬ様にと
グッと願った祈り

土に染み入り
消えた冷たさ
“君を救えなんだ”
儚さ胸に染み入る

寒空に涙一粒頬伝い
消えぬ様にと
そっと拭った冷たさ

手のひらの
水一雫の面影に
消えぬ様にと
グッと握ったこぶし

土に染み入り
消えた温もり
“君を忘れなんだ”
悲しみ胸に染み入る

春空に花一輪咲き始め
枯れぬ様にと
そっと願った祈り

手のひらの
水一雫花咲かせ
土に染み入り
消えた淡雪
“君の想いなんだ”

手のひらに
花弁一枚舞い降りて

オランダ坂


思い出の花-i.jpg

風が春の香り運んで
後ろを振り向いた僕
黄色の光に照らされ
公園で佇む君を見た

胸が恋の兆し感じて
坂路を駆け抜けた僕
三色の絵具に彩られ
嬌艶で眩い君が居た

時が愛の花壇育んで
赤白が寄り添った花
桃色の吐息に包まれ
花園で佇む君が居た

風が僕の想い運んで
後ろを振り向いた君
春色のブーケに導かれ
公園で僕は求婚した

細道


二人寄り添い歩いた道
道端の黄色い蒲公英が
二人の足元を
照らしてくれた
もし歩けなければ
君は悲しむだろうか
もし進めなければ
君は悲しいだろうか
明日が来るのは
当然だろうか
一人で通るこの道は広い
満たした道は遥か

二人手を繋ぎ歩いた道
道端の白い蒲公英が
二人の行き先を
温めてくれた
もし道がなければ
僕は悲しむだろうか
もし通れなければ
僕は悲しいだろうか
立ち止まるのは
必然だろうか
一人で通るこの道は長い
辿った道は僅か

道端の細いススキが
太陽の輝きに手を振り
さよならをした
僕は沈む夕陽を眺め
道端に立ち尽くす

君と僕しか知らない道
白い雪の花に包まれ
足跡も
ここに道が
在ったかさえも
分からない
僕は心を無くした

真っ白で
均された景色の中
あの日
道端で黄昏た細木が
樹氷になって立ち尽くす
ここに道が在ったと
示すかの様に