下記の記事は2013年05月21日(火) 掲載の
患者側にも「都合のいい」仮説・・・に加筆修正したものです。
1990年代には、うつ病の薬物療法の必要性を説く議論に火が付いたが、
この時代には今日も市場を支配しているフルオキセチン(商品名プロザック・日本未承認・nico注釈)や
その類似薬剤が登場する時代でもあった。
その背景として、うつ病の生理的基礎をめぐる大胆で新しい仮説が浮かび上がってきた。
それは、うつ病はノルアドレナリンではなく、セロトニンという神経伝達物質の不足に起きるので、
これを補充することで治るというものである。
換言すれば、糖尿病患者がインスリンを必要としているのと同様にうつ病患者は抗うつ剤を必要としているのである、というものであった。
脳のセロトニン濃度がうつ病の要素であるという説が疑わしいという根拠は、幾つか存在する。
まず、SSRIはセロトニン濃度に全く影響を及ぼさない抗うつ剤と比べてよく効くわけではないことである。
また、SSRIは使用開始後すぐに脳内セロトニン濃度を上げるが、抗うつ効果が現れるのは使用開始からおよそ2週間後であることである。
もしセロトニン濃度だけが鍵であるなら、なぜ抗うつ剤は三人に一人に無効で、しばしばプラセボと同程度の効力しか示さないのであろうか。
こうした疑問が未解決であるにもかかわらず、「うつ病セロトニン不足説」は広く支持され、信じられていた。
しかし、広く受け入れられているからといってそれが正しいことを示すモノではなく、
むしろ理解しやすいということで支持を集めたのであろう。
製薬会社がこれに飛びつき、さらに広めたこともあり、この説は広く歓迎された。
うつ病は脳内化学物質セロトニンの単純なバランス障害・不足で起きるという考えは説得力があり、それだけ誤解も生みやすい。
これも「善意の陰謀」の一例である。
引用 暴走するクスリ?(抗うつ剤と善意の陰謀)チャールズメダワー著 100P
それではなぜ「うつ病セロトニン不足説」は広く支持され、信じられている」のだろうか。
『わたしの場合』を考えてみても、
「不治の病」の精神疾患ではなく、
糖尿病患者がインスリンを打つように「SSRI」を飲めば治る(クスリを飲めば治る)病気だと思う方が「気が楽」であった。
また、糖尿病患者とインスリンの関係を「薬物依存」とは決して呼ばないように、
これだけ問題視されているSSRIを現在も服用している者にとれば『向精神薬依存ではない、不足しているセロトニンを補っているだけ』
というもっともらしい言い訳の「危うい仮説」であった。
つまりSSRIの大流行はメディカル・マフィア側だけの都合ではなく
患者側にも、ある意味で「都合のいい」仮説であったと今は感じている。
4週間以上、服用している方、
残念ですが、「薬物依存」に陥っている可能性が極めて高いです。
nico