危険な駅前心療クリニック、その後のB子さん | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

 

下記の記事は

2014年07月16日(水) 掲載の

危険な「駅前クリニック」その2 (その後のB子さん)に修正加筆したものです。

 

今日の記事は、『危険な駅前心療クリニック」』の続編になりますので、

昨日の記事を先に読まれることをお勧めします。

 

 

昨日の記事を要約すると…

 

3月末、友人のAさんから「精神医療」に関する相談があった。

 

Aさんの部下「B子さん」は、Aさんに

「最近眠れなくて体調が悪い、今の案件の目処がついたら数日間休暇を取りたい…」

と相談に来たそうである。

 

B子さんはその時「うつ状態」で、

昨年末にオープンした「駅前心療クリニック」を受診したのだが、通院前より体調が悪くなった。

 

B子さんはクリニックで ドグマチール、メイラックス、シンメトレル細粒の3種を処方されていた。

 

B子さんの所属する部署は3月が超繁忙期であり、最近人間関係で悩んでいるようだが、

特に奇行などもなく、話も理路整然としているとの事だった。

 

Aさんから「処方」と「精神科医」に関する意見を求められたので

 

・B子さんは「うつ状態」ではあるが、向精神薬を「複数」飲むような「うつ病」ではない。

 

・この処方は薬の相互作用もあり向精神薬3種類を長期間服用することは危険である。

 

・「うつ状態」の患者に、このような多剤処方をする精神科医は信頼に欠ける。

 

・産業医と相談し、多剤処方をしない「カウンセリング重視」の精神科に転院するべき。

 

・今一番必要なことは「休息」である。

 

という内容のメールを送った。

 

先週、Aさんと酒席を共にする機会があったのでB子さんのその後の様子を尋ねてみた。

 

Aさんは、産業医と相談し、

産業医の勧めた多剤処方をしない「カウンセリング重視」の精神科にB子さんを転院させたそうだ。

 

そのクリニックの処方は「精神安定剤」の1剤だけとの事。

 

B子さんはその後、休みも取らずに勤務を続けられたそうです。

 

AさんからB子さんへのアドバイス

「薬はずっと飲むもんじゃない。風邪薬を何週間も飲んだりしないだろ…」

という意見をB子さんは受け入れ、安定剤も頓服使用にされ、今では殆ど服用されていないそうです。

 

日本の会社では「職場のメンタルヘルス」の名のもとに、簡単なチェックリストに記入するだけで、

「うつ病」の恐れがあると、「悩める健康人」が精神科に引き込まれています。

 

そして多くの精神科医は「向精神薬」を処方することしか治療法を知らず、

向精神薬の「副作用」を「症状の悪化」と見なし、患者を医原性の「うつ病」に貶めています。

 

このケースは、

 

上司が「向精神薬の危険性」を知っていた。

 

産業医の「選択肢」の中に、多剤処方をしない「カウンセリング重視」の精神科医が居た。

 

・上司・産業医が連携し、B子さんを説得できた。

 

という非常に稀有なケースだと思います。 つまり多くの職場は

 

・上司が「病気はクスリで治る」と信じ、「向精神薬の危険性」を知らない。

 

・産業医の「選択肢」の中に、多剤処方をしない精神科医が居ない。

 

・B子さんが最初に話を聞いてくれた精神科医を信じ、周囲の人間が説得できない。

 

これが現状で、精神科を受診した多くの人が医原性のうつ病になってしまいます。

 

しかし、私の周りの方々は「誰にでもある『うつ状態』で精神科に行く危険性」を知っています。

 

そして私の数年間の減薬・断薬治療の経緯を知っているので、

精神科治療薬の「副作用」、減薬断薬時期の「離脱症状」の辛さも知っています。

 

ですから、今では無知な精神科医の処方する向精神薬を何カ月も飲み続ける人は私の周りでは誰も居ません。

 

今後も、B子さんの様なケースが増える事を心から願っています。

 

nico