ディオバン臨床研究データ捏造事件 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ捏造が、世間を騒がせているが、正直言って、「高血圧治療薬」は問題で「向精神薬」は問題ないの・・・?

と 思ってしまう。



「ニコ呟・・・」では、何度も記事にしたように「処方薬」の臨床データ改ざんや「オフ・ラベル・マーケティング」と呼ばれる違法販売は後をたたない。



特にグラクソ・スミス・クラインの行った違法性の高いデータねつ造や違法販売に関しては民事罰などの有罪判定が下されている(1)



ところで、「ディオバン臨床研究データ捏造」に関して、いつごろから問題視されていたのか調べると、

一昨年(2011年)1226京都府立医科大学への研究不正告発文書、及び文部科学省への研究不正告発文書が最初だったようだ。



今回の「ディオバン」に関する興味深い調査結果の記事は下記のウェブサイトで読むことができる。



ノバルティス ディオバン臨床研究データ捏造疑惑

http://diovan-novartis.blogspot.jp/



例としてKyoto Heart Studyという調査結果を転載します。



□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□



Kyoto Heart Study 調査結果まとめ   2013/7/8

1. 調査目的

 Kyoto Heart Study(以下KHS と略す)におけるデータ管理プロセスとデータの精度についての調査を行って、KHS の品質ならびに信頼性全般について検証し、論文で主張している結果の妥当性について評価することを目的とした。



2. 調査対象

 1) 京都府立医科大学KHS精度検証チームから提出された資料

KHS 事務局(京都府立医科大学大学院医学研究科循環器病態制御学/腎臓・高血圧病態制御学)が保有していたWeb 収集データ(Web を介して医師が入力したデータ)、各組織の会議等に関する資料、解析用データ(3,031 症例)。

 2) 京都府立医科大学附属病院から閲覧に供された診療録(カルテ)

京都府立医科大学附属病院からKHS に登録された310 症例(うち、カルテ調査が可能であったのは223例)



3. 調査結果の要点

 ① カルテ閲覧が可能であった223 症例のうち、KHS の主要エンドポイントである複合イベント*の発生数は解析用データ上48 件(21.5%)であったが、カルテ上確認できたのは34 件(15.2%)であった。

*論文に記載された複合イベントの定義と試験実施計画書に記載されたそれが異なっており、本調査では論文の定義に従って各イベントの発生を判定した。

 ② 複合イベント発生の有無が解析用データとカルテ調査結果で一致しなかった症例は、223 症例中34 症例(15.2%)であった。そのうち、解析用データで「有」だったがカルテ調査で「無」だったのが24例(試験薬(バルサルタン)群4 例、対照(非バルサルタン)群20 例)あった。逆に、解析用データで「無」だったがカルテ調査で「有」だったのが10 例(試験薬群9 例、対照群1 例)あった。

複合イベント 合計 試験薬群対照群

解析用データ「有」→カルテ調査「無」 24 4 20

解析用データ「無」→カルテ調査「有」 10 9 1

 ③ 同223 症例について、複合イベント発生率に関する解析を行ったところ、解析用データでは、試験薬群で対照群に比して有意にイベント発生が抑制されていたが(左図)、カルテ調査結果では、イベント発生に有意な差は認められなかった。



― 中 略 ―



4. 結論

京都府立医科大学附属病院からKHSに登録された310症例のうち、カルテを調査し得た223症例について、イベント判定と血圧値の正確性を評価した。その結果、解析用データとカルテ調査結果とでは心血管系疾患のイベントの発生数に大きな相違があった。また、同223 症例について、解析用データでは試験薬群のイベント発生率が低かったが、カルテ調査結果を用いた解析では2 群間に有意な差がなかった。なお、血圧値の推移は解析用データとカルテ調査結果とで概ね一致していたものの、解析用データとWeb 収集データとで一部の血圧値に相違があった。



□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□



参考になれば幸いです・・・



Nico



引用 : TIME Healthland(2)



(1) GSKの係わった民事罰などの有罪判定

アメリカ司法省は72日、グラクソ・スミス・クライン社に対して、認可された範囲を超えて同社の薬を販売したことや、食品薬品局に薬の安全情報を告示しなかったことを有罪と判定し、同社に2,400億円の支払いを命じた。

判決では、抗鬱剤パキシルおよびウェルブツリンの違法販売と、糖尿病薬アバンディアの心臓への副作用の隠蔽で有罪としている。グラクソ・スミス・クライン社は刑事罰として800億円を支払い、アドベア等の違法宣伝販売行為に対する民事罰として1600億円を支払う。

”研究329”と呼ばれる臨床試験では、パキシルを飲んだ患者93人のうち10人が自殺未遂しているのに対して、 偽薬を飲んだ患者では87人中わずか一人の自殺未遂しか出ていなかった。

にも関わらず、グラクソ社は専門会社を使ってパキシルの危険性を否定する医学報告を用意させ、データを捏造して安全性を強調する試験結果をでっち上げ、2001年に子供の鬱治療に有効として発表した。

検察は、グラクソ社の販売幹部がこの報告書を利用して子供の鬱治療にパキシルを使うように販売促進活動をしていたと批判している。グラクソ社は”パキシル・フォーラム”と称して、精神科医を豪華なリゾートホテル、高価な食事、ヨット遊び、気球乗りに接待していた。



(2)TIME Healthland

http://mui-therapy.org/newfinding/glaxo-wrongdoing.html