精神科医のジレンマ | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

肩をいからせ「切った張った」で仕事をしていた時『囚人のジレンマ』の様な状態に陥ったことが度々ある・・・



囚人のジレンマとは、

相手の出方によって自己の利益に違いが出るという設定下で、二つの選択肢が与えられた二人の人間が遭遇するジレンマ。

ゲーム理論の用語。



自白を求められた二人の囚人の状況になぞらえてこう呼ばれる。

囚人AとBが取りうる選択肢は、自白するか、自白しないかの2つとなる。

2人とも自白した場合には共に懲役5年、2人とも自白しなければ共に懲役2年の刑が予想される。

また、一方が自白して他方が自白しなかった場合には、自白した方が情状酌量により無罪となるが、自白しなかった方は懲役30年となる。

Aにとっては、自白すれば最も刑が軽くなるのだが、これはBにとっても同様である。

しかし、両方とも自白してしまうと無罪にならない。

そして、プレーヤー間において協力の約束ができていたとしても、個別の立場ではより利得が少ない戦略(絶対優位でない)を選ばざるを得ないため、常に裏切りの動機を内包している。



同様のケースは、実際のビジネスでも見ることができる。



例えば、石油化学業界において第2次オイルショック後、過当競争体質から大不況に見舞われた。

そこで通産省(現・経済産業省)の旗振りの下、特定産業構造改善臨時処置法に基づき、過剰設備の休廃止などを中心とした構造改革で合意した。各社が協力して減産することで、ある程度の価格を維持しようとしたのだ。



しかし、個々の企業にとっては減産しないことが、常に利得が大きかった(絶対優位の戦略)ので、設備の休廃止を行う企業はほとんど無かった



囚人のジレンマを回避するためには「裏切れば報復する」という罰則のメカニズムや、ゲームを何度も行う(勝ち逃げは許さない)、サイド・ペイメント(約束を守ったら報酬を与える)などの回避策が考えられる。



引用 : Wikipedia抜粋



「囚人のジレンマ」はアメリカの警察が捜査の手法で使う「捜査協力」という名目で使われる「司法取引(1)に顕著に見ることができる。



精神医療もビジネスである。



多くの精神科医は感じているのだろうか、



最近、厚労省の「向精神薬」関連の通達が多いな・・・



そういえば、うつ病学会も「多剤大量処方」は慎むようにと通達していたな・・・



でも、他の精神科医仲間も、バンバン処方しているし、罰則規定もないしな・・・



減薬、断薬されたら、クリニックの経営がヤバくなる・・・



これを「精神科医のジレンマ」とでも命名しよう・・・



Nico







(1) 司法取引

司法取引とは、司法制度の一つ。

裁判において、被告人と検察官が取引をし、被告人が罪状を認めるか、あるいは共犯者を法廷で告発する、あるいは捜査に協力することで、求刑の軽減、またはいくつかの罪状の取り下げを行うこと。

司法取引の結果として軽減された検察官の求刑に裁判所が法的に拘束されるわけではなく、求刑以上の量刑を行うことも可能であるが、司法取引の刑事政策上のメリット、当事者主義の理念から裁判所は司法取引の結果を尊重することが多いとされる。

被告人による罪状認否の制度が存在する英米法の国で可能になる制度である。犯罪の多い米国では刑事裁判の大部分で司法取引が行われている。一方、大陸法の国では、被告人が罪を認めても裁判は行われ、裁判官が有罪にする十分な証拠がないと判断すれば無罪となるというように、基本的に被告人による罪状認否という制度が無い。そのため、司法取引を行わないか、限定している国が多い。

Wikipedia抜粋)