捻じ曲げられた「法律」 | あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

あなたは「幸せ」ですか それとも「不幸せ」ですか...  ニコラスの呟き...

いつの間にか前期高齢者になっていました。65年以上生きてみると 色んな事を経験しました。「達成」「失望」「離別」「病気」...
それぞれの経験に意味があると最近思います。お会いすることのない、どなた様かのお役にたてば幸いです。      

先日の「報道特集」を観てから私の心に「棘」のようなものが刺さって違和感が残っている・・・



多剤大量投薬をして患者を「自殺」に追い込んだ精神科医の言葉


「守秘義務が・・・」「処方には問題がなかった・・・」


なぜ彼らが平然とこのような言い訳ができるのか・・・



IC(インフォームド・コンセント)は医者の義務ではないのか??



「リスボン宣言」で確認されたのではなかったのか・・・


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リスボン宣言

【制定】 1981年、第34回世界医師会総会で採択。1995年改正

【概念】 患者の権利に関する宣言文

【内容】 良質の医療を受ける権利、選択の自由の権利、自己決定の権利、意識のない患者のインフォームドコンセント、法的無能力者の患者の意志決定、患者の意思に反する処置、情報を知る権利、機密保持を得る権利、健康教育を受ける権利、尊厳を得る権利、宗教的加護を受ける権利

インフォームドコンセント

十分な説明を受けた上での患者の同意・承諾。医師から医療行為の性質・危険性・利益と同時に、他の方法の危険性と利益について適切な説明を受けた後に、患者がそれを理解・同意し、強制的ではなく自発的に受諾すること

例外 ・緊急事態で患者に説明して同意を得る時間的余裕がない時

・患者が幼児や精神障害者など、自己の意思を表示できない場合(⇒家族等の代理人の同意が必要

※この場合でも、できるだけ本人の同意を得るように務めなければならない


Wikipedia抜粋)


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何か嫌な予感がしてきた



「医師法」を調べてみた・・・



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医師法 (抜粋)


1 医師の任務

医療と保健指導をつかさどり、公衆衛生の向上と増進に寄与し、国民の健康な生活を確保する

4 相対的欠格事由

身の障害により医師の業務を適性に行うことができないとして厚生労働省令で定めるもの

②麻薬、大麻又はあへんの中毒者

③罰金刑以上の刑に処せられた者

前号に該当するものを除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者

7 免許取消、停止

4号各号のいずれかに該当した場合や、医師としての品位を損するような行為のあったとき、医道審議会の意見を聞いて厚生労働大臣が取り消し又は停止の処分を行う

17 医師でない者の医業の禁止

医師でなければ医業をなしてはならない

18 名称使用制限

医師でなければ医師の名称を用いてはならない

20 無診察治療等の禁止<医師の義務>

①自ら診察しないで治療し、診断書、処方箋を交付してはならない

②自ら出産に立ち会わないで出生証明書、死産証書を交付してはならない

③自ら検案しないで検案書を交付してはならない

※診療中の患者が受診後24時間以内に診療中の疾患が原因で死亡した場合は死亡診断書を交付できる

23 療養方法等の指導義務<医師の義務>

医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。

24 診療録の記載及び保有<医師の義務>

診療した時は、遅滞なく診療録に記載する

診療録の保存期間…5

保存責任者…勤務医の診療の場合、病院・診療所の管理者。その他の診療の場合、診療した医師

3133 罰則

違反者には罰則が定められている。第6条、第7条、第17条、第18条、2022条、第24条の規定に違反した者


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つまり第23条は「罰則」適用外だった・・・



「医師法・医療法の解説」を調べていた時に下記のような説明があった・・・


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精神病患者


精神疾患の場合、患者の病状によっては説明を傾聴し、理解し、治療に関して同意を行うことが困難である。

病名を正確に告知することで患者自身がショックを受け、病状が悪化する、さらには発作的に自殺や殺人などの自傷・他害行為を行うことが予想される場合、医療従事者側も告知に慎重にならざるを得ない。やむを得ず患者には病名や治療方法を知らせず、精神保健福祉法で定めるところの保護者や、患者の家族等には病名を知らせるといった方法を取ることもある(のちに患者の状態が十分安定したときに病名の告知をすることもある)。


このような状況を踏まえ、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律では、患者の意思に関わらずに合法に入院させる制度が規定されている。

医療保護入院では、精神保健指定医の診断のもと、家族の同意に基づいて精神科病院での入院加療が行われる。自傷他害の恐れが強い場合には、措置入院、緊急措置入院など、家族の同意無しでも強制的に患者を入院させる制度がある。


ちなみにこれらの項目はすべて,『医師法』『医療法』のどちらかに属しています.


異状死体の届出義務、診療録の保存期間、診断書の交付義務 → 『医師法』

病院の開設、医療計画、標榜可能な診療科名、医療施設の定義、インフォームドコンセント → 『医療法』


『医師法』は医師に対して課せられた義務・資格を定めたもの、『医療法』は,病院などの医療機関に関する規定を定めたもの,と分類される



規則に違反したときに,医師・医療機関のどちらが罰せられるかをイメージしてみよう


「応召の義務」「診断書の交付義務」「異状死体の届出義務」などに違反すると医師個人が罰せられる、従って『医師法』


「診療録の保存期間」は医療機関のような気もするが、診療録の記載義務とともに『医師法』第24条に規定されており,医師の義務とされている


反対に,「病院の開設要件」や「診療科名」を偽ると,医師個人でなく,医療機関の開設者が罰せられることになる、従って『医療法』の範囲内,ということである


「インフォームドコンセント」だけ,『医療法』にあるのが違和感あるかもしれないが「インフォームドコンセント」は、医師の義務というより「患者の権利」であるという視点でつくられた概念である



患者の満足度を上げる,ひいては医療の質の向上を図ることは『医療法』が担っている役割である


入院診療計画書の作成や,医療機関に関する情報提供についても,近年の改正で『医療法』に追加されてきた経緯を踏まえると「インフォームドコンセント」がここにあるのも納得がいく・・・・・・・


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なんと日本では 「リスボン宣言」の精神 が捻じ曲げられ


インフォームド・コンセントしない医師個人に対し、罰すべき法律 は存在していなかった・・・



つまり「違法行為」で摘発されても「医師個人」は罰せられることはなく「医療法人」の代表理事の変更などでその医師は「同じクリニック」で診療を続けられるということだ




法律は時として「誰か」の意志で捻じ曲げられる





またまた空しくなってきた・・・