本当に…試合を観ているだけでも精も根も尽き果て
かけた先週末でした。義母の事もあり、余り眠れず
食欲も無く…クリスマスも過ぎ、やっと日常が戻って
きた感じです。
(義母はペースメーカー埋め込み等の再手術を週末に
受けねばならないものの、御陰様で容態は、今の所
比較的安定しています)
そしてあの不安と緊張の後、歓喜に包まれた五輪代表
選考発表の日から3日経ち、漸く、本当にソチに行ける
んだという、実感にしみじみと浸っている所です。
22日の男子フリー。
実は21日のSPの様子から、余り大きな期待をするのは
止めよう、と思っていました。トリノの時の本田コーチの
様子が思い出され、足の怪我が悪化して倒れたりせず、
何とか無事に演技を終えてくれれば良い、と。
でも、そんな事でソチへのレースを勝ち抜ける訳がない、
高橋選手は死力を尽くして挑んでくるだろう、とも。
実は私、ビートルズメドレーは良いプロだとは思うものの、
現役最後の年のフリーにはどうかと…どちらかと言うと
エキシ向きではと思っていました。フリーにはもっと
解り易くドラマチックな曲を演じて欲しかったのです。
でもこの日のフリーの演技は…忘れられないものに
なりました。ジャンプミスが多くて、世間では多分
褒められる類の演技では無いのでしょうが。
でも、ジャンプ以外は神演技と言うか、昨年の全日本
フリーの道化師を思わせる程の、出色の出来だったと
思います。
今迄余りビートルズはリピしなかったのに…全日本後、
何度も惹きつけられて観ています。
序盤の4T。足の怪我から1本にして来るだろうと思って
いたら…流石潔い、と言いたい所ですが、格好悪くても
貪欲に、1点でも多く点を取ろうという姿勢が見たかった
です。バンクーバーの高橋選手と、4位のランビエールの
得点差は極僅かだった筈…僅かな点が、明暗を分けたり
しますよね。
タンゴの最後で振り向き、右手を差し出す所で、初めて
怪我で流血している事が判明しました。
ハプニングからとは思えない、演出した効果の様な…
彼の集中した、忘我の表情とも相まって、そのシーンに
壮絶な色気にも似た「美」を感じました。不謹慎ですが。
(衣装はカットソーを重ね着した風で…色といい袖の
スリットといい、どういうコンセプトでのデザインなので
しょうか…OG迄何とか再考を)
道化師の時の様に、何か自分の掛け替えの無い大切な
ものを、差し出しているイメージでした。
スピン、ステップも全て美しかったです。
最後のコレオシークエンスは圧巻でした。
スピード、グーンと伸びるスケーティング、バレエジャンプ。
イン・マイ・ライフは苦しいでしょうに、ローリーに言われた
通り、うっすらと微笑みを浮かべて。
美しい微笑みでした。
フィニッシュで、その表情が泣き笑いの様になるのが
痛々しかったですが。
後で知ったのですが、この演技が現役最後になるかも
という覚悟で、渾身の力で滑っていたのですね。
その気持は確かに受け取りました。
感動しました。
尤も、その後の(デリカシーの無い)インタビューに対し、
取り乱し気味に涙する高橋選手には、気の毒に思い
つつも正直こちらもうろたえさせられ…え?選考基準
3番目により依然有利ではないの?WSもSBも小塚選手
より上だし…でも長光コーチも、もう全て終わったかの
口調だし、何だか不安になって来ました。矢張スケ連は
信用出来ないのかと。
まあ、高橋選手が結局選ばれて、心からホッとしたの
ですが…名前を呼ばれる迄は、本当に心臓に悪い程
こちらも緊張しました。
スケ連に今回は感謝。たとえSAのスポンサーや世選
の観客動員絡みの、大人の事情が働いているとしても。
でも本当に、団体戦等をISUに提案するなら、国別の
枠以外にも選に漏れた優秀な選手をOGに推薦出来る
様な制度を作るとかで、ロビー活動して欲しかったです。
小塚選手、引退してしまった織田選手(ベルネル、アボット
と並んで、ワールドメダルは獲って欲しい実力のある選手
でした。大ちゃんガンバ!を有難う)始め、もっと出場出来る
枠があれば良かったのに。
高橋選手、膝に水が溜まっている(うちの母もですが、相当
痛いみたいです)ようですが、どうぞしっかり治して下さい。
色々インタビューもあって、大変かと思いますが、その都度
文句なしに選ばれた訳ではないと、律儀に繰り返さなくとも
良いと思います。今迄の努力や積み上げてきたものの成果
なのですから。