中国と韓国の経済が失速で、両国が日本に歩み寄ってきているニュースを見た。
もともと内需に先がない韓国は輸出立国として工業製品だけでなく、アイドルなど娯楽に関しても国際化を目指していた。
外貨頼りの経済は、為替レートはもちろん、政治外交が悪くなると途端に傾く。
中国も豊富な労働力があり、世界から生産国として目を向けられていた2000年代とは違い、2010年代は賃金が上昇しグローバルなコストの優位性はなくなった。
反面、中流層があふれてきて消費国として目が向けられているが一人っ子政策の影響が徐々に出始めてきて、将来的には日本や韓国よりも脆弱な経済構造になる懸念がある。
この両国は日本が手を取り合って仲よくするメリットが将来的に薄いのは確か。
ただ中国の世界の資産の爆買いは今なお健在なのは確かで、決して無視できる存在ではない。
ピークが過ぎた中国はガタガタになる、ただそれだけのこと。
近い将来は東南アジア、10年~20年を見越した有望な地域はアフリカだと言われている。
人口の年齢構造が魅力的、ある程度豊かになると生活必需品だけでなく奢侈品の購入意欲が増す。
インド・・・?BRICSはもう有望な新興国とは思えないため、先進国との競争に入ってきており国単位ではなく、企業単位で見るしかない。
将来を考えたら、日本も生きづらい国になる。
まあ国地方の借金、高齢社会で社会保障増加では明るい将来は描けない。
問題は2020年以降の景気がどこまで落ちるか。
今より上向くことはないにしても、落ち方がどうなるか。
大企業のブランドが健在でも中小企業に技術力があっても、世界で売れるビジョンがない。
そもそも日本の教育でジョブズのようなセールスマンが生まれない。
消費は金持っている団塊世代が70代突入し、給与体系が旧態依然の高給取りのバブル世代、そのちょっと上の世代が引退間近に。
消費する層が薄くなりデフレ圧力は半端ないだろう。
TPPが今取りざたされているが、労働力も国際化が進み、世界との均衡化から賃下げ圧力が高まるだろう。
ただ教育の水準、文化の違いから完全に日本人の仕事が安い労働力に奪われることはない、必ず下げ止まる。
安かろう、悪かろう、だ。
ただ雇用に関する不安で大きいのがロボット化だ。
今やスーパーのレジが無人化されているところも増えつつある。
IT化で仕事が効率的になった分、非効率な仕事をやっていた人たちは仕事を奪われた。
企業が余分なコストを削って筋肉質にならなければ国内、世界のライバルたちとは戦えないのでそれは自然の理。
ところで、前回も話に触れた横浜のマンションの問題。
未だに毎日のように旭化成建材の問題では進展がある。
注目された三井住友建設さんの中間決算の会見。
「算定が困難」データ偽装の影響織り込まず 三井住友建設の9月中間連結決算
http://biz-journal.jp/sankeibiz/?page=fbi20151111006
見事な黒字で決算報告できてよかったですね(?)
データ流用がこの業界では当たり前のように言われてしまっているけど、もうこれは一つ一つ洗ってみないと分からないこと。
担当者単位、責任者単位、管理者単位・・・誰がどこまで知っているのか、ごまかしているのか、もうケースバイケースとしか言いようがない。
三井住友さんは「たまたま」こうなってしまったから
私が知っている三菱地所さんの現場で責任者の方は、写真もデータも1枚1枚現実のそれかを目を皿のようにして見ていた。
成分表とか間に合わないときは以前使った成分表を取り寄せてそれを使って申告したりすることもあるのは業界の闇の部分として認識。
まあ業界は狭いんで。
例えば大きな仕事で新国立競技場は竹中さん、大林さん、清水さん、その下請けにぶら下がるのも大体いつもの面子。
1次受け、2次受けと連なっているが上下の関係があるにしてもお互いが仕事ぶりを知っているからこそ発注できる。
ただ下請けは常に元請けから期待されているレベルにこたえなくてはいけない、一度でもポカすると期待から外れる。
期待にこたえられない時・・・元請けに上げるデータがそのまま通ってしまったら?
また次もやってしまうと思う
(正しいことをするとコストが上がる、工期が延びる、今までとのつじつまが合わなくなる、悪循環が生まれる)。
どのタイミングかで元請けがデータ偽装を知ってしまったら・・・?
隠し通せるところまで隠し通すはず。
世間に公になる頃には積み重なったものが露呈する。
どの建築物にも大なり小なり抱えている欠陥はある。
それが露呈するタイミングがいつになるかだ。
長く使えば欠陥でも経年劣化で説明して済ませてしまうこともできる。
今回の横浜のマンションは・・・笑いごとではないけど傾いてしまったら言い訳できないよね笑
法律は問題が起きたら厳しく変るもんだけど、結局は企業との知恵比べ。
抜け道を探して企業は楽な方向へ走る。
真面目にやればコストが高くなるからどこを天秤にかけて安く済ませるか。
今回の一件、大きく法律、規制が変わるわけではないけどくい打ちに関しては官庁への提出する書類が面倒くさい仕様になるかな、と。
業界の縦と横の構造自体は変わりようがない。
こういう偽装が業界全体の常識ではないけど、どの会社もやっていないと言えないほど健全ではない。
会社の中の誰が知っているすら分からずグレーなもんです。