自殺所13 | 置き場

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「俺は捨てた親は親と思わない」
歩きながら裕也はぼそりと呟いた。
「どうして会いに行くの?」
「復讐だよ」
少し足早になった裕也の背中を見つめ有実は怖くなった。
ぎらぎらした目に低い声。いつもと違うと感じた。
「や、やめない?復讐」
「こぇぇのかよ、今更。さっきまでは俺となら的な事言ってたよな?」
いつもと違う裕也が怖くて走りだした。
「どこ行くんだ?」すぐ捕まる。泣きながら謝るも逃げられない。
「やだぁ…」

暫く言い争いがあり、人通りは元々少ない路地裏。
静かになった路地裏は赤く染まった。

誰が何と言おうと自供はしない。
誰が何と言おうと精神が病んでるように見せるから。
まだ10代だし。罪は軽いよね。

重い石を投げ捨て血をスカートに擦り付けてその場から離れた。
でもばれるばれる前に二人になろう。一緒に暮そう。
そうだ、死んじゃおう。 今なら会えるよね、裕くん。