自殺所7 | 置き場

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飛鳥は思い出していた。
ネットの友人が自殺を失敗して下半身不随になって自殺所に行こうと決めたって言ってたこと。
自殺所なんていいところだと当時思った。
「飛鳥あっちで待ってる」
そういって彼女は死んだ。
「美穂すぐ行くあたし、熱いけどね(笑)思ったよりすぐじゃないかもね」
錆びたドアを開けると中はツンとした臭いに焦げた臭いがした。中に入ってドアをしめて放送が流れた。
「本当にいいですね?スイッチ押します」
「あなた自殺の手助け向いてるよバイバイ」

芳樹が押したスイッチはいつもよりすごく重くて何度も押したことがあるのに何故か怖かった。

ドアの向こうからは炎の音と暴れ回る音。
次第に暴れは収まり炎の音が虚しく響いた。
一時間半過ぎて清掃員がドアを開けて片付けた飛鳥の灰は50階からまいた。

飛鳥の灰は風にのって何処に行くんだろう。
と思いながら自分の場所に戻った。