自殺所8 | 置き場

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川村美穂(仮名)17歳。幼いころから病弱でいつも家の中で外で遊ぶ同じくらいの年の人見ると親を恨んだ。
両親は美穂を可愛がる事もせず厳しく育てた。
それを親は躾と言った。
真冬のベランダにほおり投げられ病院に行ったこともあった。
風邪からの肺炎も珍しくはなかった。
「何回も死に掛けてるのに生命力はゴキブリ並だな」と父親に笑われては殴られた。
そして復習のため。。。

自室から飛び降りて死んだら、遺書を、いや復讐の手紙を残したらあいつらはトラウマを抱えて生きていくかもしれない。
と考え実行のために手紙を書いた。

私、川村美穂は両親の逆他により精神的苦痛及び身体的に蝕まれた為
この魂、体と引き換えにあなた達を恐怖にかおを歪ませたく計画しました。
本当ならあなた達が死ぬべきなのに。
私があなた達を殺して死んだとしたら私が犯罪者となりそんな事で手を汚したくない。
のうのうと生きていけないよう私は華麗に死んで見せます。
呪ってやる。


電話が鳴った。
名前は飛鳥。
「もしもし飛鳥?」
二人はネットで知り合った。
チャットで仲良くなり本当の姉妹のように毎日電話をしてた。
「美穂。あたし疲れた!毎日毎日壁の隙間から目が見えてる!怖いよ!殺される!!」
飛鳥は薬で幻覚を見ては美穂に電話をかけた。
「飛鳥、今から私自殺するんだ。あっちで待ってるからあっちで遊ぼうねじゃぁね」
そういって電話を切った。
何度もかかってくる電話を無視して美穂は自室で手首を切った。
血を部屋に残しベランダに移動し下を見た。
5階下には植木もない死ねる高さ。
「行ける」
足をかけて空をとんだ。

途中で意識がなくなりもう目を覚まさないで逝ける。

「~さん~!!・・・ほさん!」
目を開けると白い病室。
「てめぇ何なんだこのやろう」
服をつかんで引き起こされビンタ。
「死ねなくて残念だなぁ?てめぇの足はうごかねぇってよ?呪えねぇなぁ?」
悔しかった。美穂は父親を睨んだ。
「帰って」
「誰に口聞いてんだお父様だぞ」
布団を被り帰るのを待った。
しかし布団を剥がされ手を引かれた。

「帰るぞ」

「無理です!まだ安静にしてないと!!」
看護婦が言ってくれて帰ると思った。
「うるせぇ。明日も来る」

絶望の日々が美穂を待っていた。
死に切れず助かってしまった。
しかも足は動かない。
反抗もできない。逃げられない。
もう頼るのはこの使えなさそうな看護婦くらいだった。
「ねぇ。聞いてたでしょ。あたし死にたかったの、復讐したかったのでもこの足じゃ移動ができないよね」
看護婦は「できないですね」
「手伝ってくれるかな」
「何を?」

そこで美穂は考えた。
外出届を出して少し前にどっかで見た自殺所に行って死ぬ。

「外出届出せないかなぁ?彼氏に会いたいんだもう死なないよ」
そう安心させて「私もついていきますよ」と言った。
「最低、彼氏とエッチなことしてるのみたいわけ?」
看護婦は顔を真っ赤にさせて
「時間までに待ち合わせ場所に来てくれたらいいです」
と言い換えた。
これでいけると思った。
それから申請が通るまで苦痛だった。
叩かれたり脅されたり。
親が帰ってからは車椅子の練習をした。

「美穂さん明日九時に出れますよ」
美穂の死ぬ日が確定した日。
これで終われる、そして復讐の始まり。

続く。