そう。今やらないとハードルはもっと高くなる。。。(笠ヶ岳登山その1) | 自分に勝ちに行く!!

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聞くことは、人を豊かにする。話すことは、人を機敏にする。書くことは、人を確かにする。自分の心の内側を、書くことで確認して行こうと思います。つれづれなるままに、テーマもなく...?.。心の引き出しを増やそうと思います。

 

 

 

山から山へと続く稜線を歩くのが楽しいと知ったのは15年くらい前からだと思うが、ある時、チャリが6泊7日の北アルプスの縦走を計画した。

 

その前年には初めて北アルプスの縦走にチャレンジし、新穂高温泉からわさび平を抜け、槍ヶ岳のシルエットが美しい鏡平、鯨の背中のような双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、天国の庭園と呼ばれる雲の平、日本最高標高にある温泉の高天原温泉を結ぶ稜線を歩いて面白かった。

天気に恵まれ青空の下を、ある時は喘ぎながら、ある時は鼻歌を歌いながらの天空散歩の贅沢な遊びを知って、縦走の楽しさを知った。

 

そして翌年の6泊7日の計画は、北アルプスの逆側、つまり富山側にある室堂を出発点とし、立山の雄山を拝み、五色温泉で湯に浸かり、スゴ乗越、薬師岳、太郎岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六小屋から弓折乗越を越えて笠ヶ岳まで、という6泊7日の大縦走を計画したんだった。

 

当時はまだ週2~3回くらいは走っていたし、スポーツクラブ通いもしてたし、多少は若かったのでやる気まんまんでスタートしたのだった。

 

忘れもしないその準備をして新宿発の深夜バスに乗る前の暑さ。これから何日も同じモノを着続けないといけないというのに、アゴから汗が滴り落ちた。

 

眠ったのか眠れなかったのかわからない夜が明けると室堂に着いていた。

 

東京の気温が嘘のように、しんと冷えた空気の室堂を出発して、ゴールの笠ヶ岳を目指して歩き始めたのだった。

 

(13年前の記録、つけとくもんだな!! )

 

 

 

 

 
ここから本題。

 

歩いて行く稜線の先に常に見えていたのはゴールに待ち受ける笠ヶ岳だった。

お姫様が被るような編笠の美しい形をした山で、凛々しく先鋭的な槍が岳も北アルプスの王者であろうが、笠ヶ岳もまた他を寄せ付けない優雅な美しいシルエットを持っていた。

 

2500mの天空の空に映えて、歩く視線の先には常に笠ヶ岳が佇んでいた。

 

何がいけなかったんだろうか。ちゅうか、やっぱり山をナメたらアカン。

日をめくる度に全身疲労がボディブローのように効いてきて、太郎小屋から黒部五郎小屋までのコースは中でも1番の長距離なのだが、歩いても、歩いても小屋に着かず、結局10時間くらいかかって小屋に到着したんではなかったか。

途中で出会ったおじさんが心配して小屋の外でわたしたちが到着するのを待っていてくれた。

 

その頃から顔がむくんで目が腫れぼったくなり、呼吸も浅くなってきた。肺が膨らまない。山に入って4泊目。

今から思うと高山病だったのか。

 

チャリはそれでも笠ヶ岳に向かいたいようだったけれど、まともに呼吸が出来ず、肺に空気が入らない気持ちの悪さで双六小屋で絶不調。笠ヶ岳を断念した。

 

ルートを変更して、翌日はヘロヘロで新穂高温泉登山口に降りた。

笠ヶ岳への分岐となる弓折乗越では、しょんぼりした背中でベンチに座る写真が残っている。。。

 

笠ヶ岳へのゴールは持ち越しになったまま、何年も時が過ぎていった。

おまけに確実に年もとり、体力的にも深山に入る北アルプスは「もうムリかねー。」と話には出るが実現させられるとは思えない。。。

 

しかし、今年の夏休みはその思いを叶えるべく、笠ヶ岳にチャレンジを決めたのであった。そう。今やらないとハードルはもっと高くなる。。。

 

あの時、ずっと笠ヶ岳をゴールと決めて、その姿をずっと見つめながら歩いた。

 

だから、なんとしても、そのゴールを踏もう。

その稜線を踏みしめに行こう。

 

つづく~~ 。