5日目 ブエンカミーノ 1月2日
朝7時にヴィラ ド コンデにある、宿のワイン ブティックハウスを出発して、今日は10キロ程度の距離を歩く。
日の出が8時のポルトガルでは、7時は真夜中のようである。
オレンジ色の街灯が綺麗で、雰囲気のある道を行く。
朝食なしの宿だったので昨日の叔父さんが教えてくれたカフェに向かう。
そこだけに灯りが点っていて、ホッとする。
クロワッサンやら、デニッシュやらマフィンやらいろんなパンが並ぶが、スープなどはない。
こちらの人は朝もお昼もパンにコーヒーくらいで済ませてしまうようだ。
ここ何日間でのご馳走はリスボンで食べたイワシ料理と毎夜食べているカップヌードルである。。
こちらのパンは美味しいが、暖かい食べ物がないので気分的に飢えていく。。
天気は曇りでグレーの海を眺めながら海岸線を歩く。
湿気が増していて昨日より寒い。
カフェでトイレを済ませたはずなのに、さわ〜っとした風に晒されてすぐまたトイレに行きたくなる。
旅もこの辺になると、ポルトガル事情としては公共のトイレは有料のところがほとんどで、駅では0.5€、公園などでは0.2€が必要であると知る。
カフェでは現金で払って小銭を作っておかないとやばいのである。
カミーノの海岸線の道はボードウォークと呼ばれる木道が続き歩きやすい。
そこではジョギングをする人もかなりいて、ポルトガルはジョギングブームらしい。
公園や広場には、子供の遊具ならぬ、チョコザップのようなトレーニング器具があちこちに設置されている。
歩く中、泣きそうに重くなってきた空を見ているとますますトイレに行きたくなるが、これがなかなか公共トイレが見つからない。日本はトイレ事情はほんとに世界に自慢出来るものの一つだと思う。
やっと現れたトイレはコインを入れるとドアが開く自動式のヤツで、海岸沿いの道路脇にあった。
0.2€を入れると自動でドアが開いた。
中に入ると、便座のない便器に飛沫がこれでもか!と、飛び散っている。
こわっ
出ようとして取ってに触るとドアが勝手に開きそうになり、慌ててまた閉める。。
一瞬考えたが、ここで逃すといつ巡り会えるかわからないトイレである。
おまけに0.2€を支払っている。
このまま出たら悔しいではないか。。
絶対に便器に、着てるものも身体も触れさせない、そんな決意で中腰で用を足す。
緊張の何分間。。命の燃える実感が有り。
日頃の筋トレの成果もあり、なんとかコトを済ませることに成功した。
流すボタンを見つけられず、そのままドアを開けてチャリを呼び、閉まりたがるドアを押さえて場所を交代する。
チャリが出てきてドアが閉まると、中で水が流れる音がした。
あ〜。恐ろしかったぁ〜。
あなた、よくこのトイレはいれたね。と、チャリが、無表情で感心した。
と、旅は人をどんどん強くしていくものである。
幼稚園の時は、家以外のトイレには絶対に入れないナーバスな子供だったのに。。
そのあたりからどんどんと田舎の気配が濃厚になり、アルベルゲに着く頃にはこぬか雨が降ってきた。
今日は短い行程でよかった。